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第3回知識構造化シンポ開催

20110916SSM.JPG日科技連主催「第3回知識構造化シンポジウム 『拡大が続くSSM適用分野 その多様化と進化を探る』」が9月16日、180名の参加者を迎えて東京の日科技連本部ビルで開催された。今回は、アイ・ライティング・システム(電子安定器・電源装置メーカー)、アドヴィックス(自動車用ブレーキメーカー)、山武(ビルオートメーション)、東芝マイクロエレクトロニクス(LSI設計開発)の4社によるSSM取り組み事例の発表と、SSMの開発・支援企業である構造化知識研究所による動向解説、スピーカーとフロアーによる統合討論が行われた(写真)。以下、印象に残った言葉を報告する。

「SSMのワーキンググループのメンバーには、不具合対応で向こう傷を負った経験がある、やる気のある若手社員を選んだ。SSMは若手社員を一人前に育てるのに役立つツールだと思う」(アイ・ライティング・システム常務取締役品質管理部長・寺山一郎氏)

「SSMで抽出する未然防止知識として、メカニズム知識のほかに、管理上のまずさ知識(規定・基準を守れなかった根本原因)にも取り組んだ」(アドヴィックス信頼性技術部未然防止推進室・大野貞行氏)

「SSMのデータベース活用で、若手設計者による新規設計で不具合再発件数が減少している。またFMEA作成工数がSSM採用前に比べ大幅に減少している」(山武バルブ商品開発部開発1グループグループマネージャー・大谷秀雄氏)

「SSMを活用してきちんとQMSが運用できる成熟度レベルが当社が考えるレベル4の段階であり、当社はそこを目指している」(東芝マイクロエレクトロニクスTQM推進室・澁谷幹夫氏)

「SSMで一番お勧めできる指標は、手戻りの回数を数えることだ。そもそもSSMの成果は導入1〜2年くらいではなかなか出にくいものだが、手戻り回数はその中でも比較的測定しやすく、効果の出やすいもので、目標設定に適していると思う」(構造化知識研究所執行役員・松坂ユタカ氏)

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第3回SSMシンポ開催

日本科学技術連盟(日科技連)主催「第3回 知識構造化シンポジウム」が「拡大が続くSSM適用分野 その多様化と進化を探る」をテーマに、9月16日(金)13:30〜17:20、東京・日科技連本部で開催される。

SSM(Stress-Strength Model:ストレス‐ストレングスモデル)とは、トラブルの経験・ノウハウを広くトラブル未然防止に活用できるように、知識を構造的に表現するモデルのこと。株式会社
構造化知識研究所代表取締役の田村泰彦氏が開発し、同社がこのモデルの組織への導入支援を行っている。

今回は、SSMを導入し着実に成果をあげている4社の事例発表と、構造化知識研究所による構造化知識マネジメントの動向解説が行われる。事例発表の中で、東芝マイクロエレクトロニクスの澁谷さんが、QMSの継続的改善へのSSMの活用について話をしてくれるので、QMS関係者には聞き所となるだろう。

【アイソス日記読者・先着5名様を無料ご招待
受付は終了しました。

当日の講演者とテーマは下記の通り。

◇事例講演1:「SSMによる不具合情報からのノウハウ抽出とその活用」
寺山 一郎氏 (アイ・ライティング・システム 常務取締役 品質管理部長)

事例講演2:「自動車用ブレーキ製品の設計における未然防止知識の構造化と設計反映のシステム構築」大野 貞行氏 (アドヴィックス 信頼性技術部 MB推進室)

事例講演3:「知識の構造化を活用したバルブ製品の不具合再発防止/未然防止の仕組み構築」大谷 秀雄氏 (山武 バルブ商品開発部 開発1グループ 課長)

事例講演4:「SSMを用いたシステムLSIの設計品質向上と品質マネジメントシステム(QMS)の継続的改善」澁谷 幹夫氏 (東芝マイクロエレクトロニクス TQM推進室)

特別解説:「構造化知識マネジメントの最新状況と動向について」松坂ユタカ氏(構造化知識研究所・執行役員)

詳細は下記の日科技連のHPで。
http://www.juse.or.jp/tqm/185/
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100903SShall.jpg2010年9月3日、日本科学技術連盟主催による「第2回知識構造化シンポジウム」が200名の参加者を迎えて開催された。今回のテーマは「先行各社が明かすSSM実践の考え方とその成果」。SSMを活用したダイキン工業、日産自動車、三菱電機エンジニアリング3社の事例発表と、SSMの概要解説が主な内容である。(SSM:Stress-Strength Modelとは、トラブルの経験・ノウハウを広くトラブル未然防止に活用できるように知識を構造的に表現するモデルのこと)

100903SSMdaikin.jpg【基調講演:「SSMの推進によるものづくりの再構築」ダイキン工業常務執行役員・岡田慎也さん】
冒頭の基調講演は、ダイキン工業常務執行役員の岡田慎也さん(写真)による事例発表。岡田さんはルームエアコンの生産拠点である滋賀製作所の所長であり、設計分野に25年ほど携わってきたエンジニアである。2006年にSSMに関する田村泰彦さん構造化知識研究所社長であり、SSMの開発者)の講演を聴いて「キラリと光る魅力」を感じ、それ以来、滋賀製作所内のSSM推進の陣頭指揮をとってきた。同所におけるSSMは、最初は電子設計・構造設計分野で数名の設計者により取り組まれ、それがやがて製造に関わる全部門で活用されるに至る。その活動経緯の実態と成果についての岡田さんの発表は、SSMに関心を持っている人やSSM活動を実施中の人にとって、大きな励みと示唆を与えるものだった。セミナーの最後に行われた質疑応答においても、岡田さんのコメントは質問者に対する熱いエールが感じられる内容だった。

100903SSmatsusaka.jpg【特別解説:「SSM/構造化知識マネジメントの概要と最新動向」構造化知識研究所執行役員・松坂ユタカさん】
続いて、SSMの開発・導入支援・ツール提供を行っている構造化知識研究所の執行役員である松坂ユタカさん(写真)が、SSMの概要解説と導入・実施のコツについて解説。特に「まずどこからSSMを始めればいいのか」についての提案は、SSM導入を考えている企業には参考になったのではないだろうか。例えば、不適合事例が社内で活用されていない場合は、SSMで知識を再利用化し、水平展開する。あるいは、FTAやFMEAが形骸化している場合は、SSMの観点で見直し、社内で実際に有効活用できるものにする。さらに、不適合事例すら社内で整備できていない場合は、まず不適合事例の文書化やFTA作成から始め、その知識をSSMで構造化していく、など。

100903SSMnissan.jpg【事例講演:「SSMを活用した設計ノウハウの再構築と実務適用」日産自動車パワートレイン品質向上推進グループ・黒川隆之さん】
このあと事例発表が2件。最初の事例は日産自動車パワートレイン開発本部。発表者は、同本部のパワートレイン品質向上推進グループの黒川隆之さん(写真)。SSMを、ある機能に絞って適用し大きな成果を出している好事例。設計検討の頻度が多く、部品共通性が高い締結・シール機能をSSMの取り組み範囲とした。SSM知識の構築過程においては、部品固有の名称を書いていては、知識の一般化ができないので、共通名称に変更し、設計者によって異なる書き方も共通化し、設計ノウハウの一本化をはかった。また、知識の因果関係は複雑に絡み合っているので、SSMのチェックリストを作成する際には、階層表示し、真の原因から結果系の知識まで確認できるようにした。黒川さん曰く、「導入よりも定着に苦労した」。定着させるためにさまざまな運用ルールを設けている。例えば、「締結・シール機能の設計変更を行う場合は、SSMチェックリストを使用し、設計手配書に添付すること」などをルール化している。最後に成果については、締結・シール機能の事象発生件数は、SSM適用開始後はゼロ(担当者の単純ミスはSSMの適用外)だそうである。

100903SSMmitsubishi.jpg【事例講演:「知識の構造化によるナレッジ活用型設計環境の構築について」三菱電機エンジニアリング品質・業務改革グループ・五十嵐和之さん】
次の事例は三菱電機エンジニアリング。SSMの適用範囲は、同社静岡・和歌山両事業所の構造系設計・電子系設計。発表者は同社技術推進部品質・業務改革グループの五十嵐和之さん(写真)。この人のプレゼンのおもしろさは、企業のSSM推進者が実際に感じているSSMに対する疑問や不満を単刀直入に述べ、それについて自社ではどのように対応したかを発表している点だ。カスタマイズ化の好事例と言えるだろう。同社の事例紹介は月刊アイソスに掲載していないので、ここで長めに紹介させていただく。

・事例の背景が見えにくい
確かにSSMでは知識を一般化してしまうので、事例の背景が見えなくなってしまう。(解決策)一般化する前の情報もSSMに記載した。

・関連語の設定が分かりにくい
SSMでは用語を共通化していくので、どの語とどの語が関連しているのかが分からなくなってしまう。(解決策)関連語とその設定情報もSSMに記載した。

・既存のチェックリストから移行しやすくしたい
誰しも自部門の業務形態に則したチェックを行いたいものだ。なので、業務形態の違いをツール側で吸収したい。(解決策)「技術分野ごとの辞書」を縦軸、「業務単位のキーワード」を横軸にとるマトリクスを作成した。

・案件ごとのチェックリストを容易に作成したい
漏れのない(知識の気づきを誘導する)チェックリストを容易に作成したい。(解決策)辞書にチェックリストの雛形を登録した。

・SSMが読めなくてもチェックリストが分かるようにしたい
SSMに慣れていない人でもチェックリストが理解できるようにしたい。(解決策)SSM知識のページに「要約」(SSMにおける因果メカニズムの5要素を1つの分かりやすい文章にしたもの)を掲載した。

100903SSMtamura.jpg【質疑応答】
シンポジウムの最後は、30分間を使って質疑応答が行われた。コーディネーターは構造化知識研究所の田村さん(写真)、回答者はスピーカーをつとめた岡田さん、松坂さん、黒川さんが担当した。活発なやり取りの中で、特に心を揺さぶられたのが、ある質問に対する岡田さんの次のような回答だった。
「SSMについては、御社の中では、あなたが第一人者だと思うので、そこに自信を持っていただきたい。一番大事な資質は熱意です。これをモノにしてやろうという手応えを感じているなら、みんなの心を動かさないと、みんなのレベルを上げたいという気持ちがないとダメで、そこが一番の資質です。それと、いち早く仲間を作ることです。私もSSMをやるについては、いろいろなことを言われましたが、ここには何かいいことがあるという熱意さえあれば、しんどくなっても一緒にやる仲間がいますから。あなたは入社2年生でも社内では第一人者です。それでもダメな時は、当社(ダイキン工業・滋賀製作所のこと)にきていただいて、当社のSSM活動をみてほしい」▼
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「SSM」と言えばダイキン

「なぜなぜ5回」と言えばトヨタ、「SSM」と言えばダイキン。個人的にはそう思っている。そのダイキン工業のSSMを陣頭指揮で引っ張ってきた岡田慎也さん(同社常務、空調生産本部副本部長、滋賀製作所長)が9月3日、日科技連主催のシンポで基調講演(東京会場)をする。聞かねば。

SSM(ストレス・ストレングス・モデル:不具合発生のメカニズムを未然防止に活用するための知識構造モデル)は、あるライン、ある製品、ある機能だけで導入して使うこともできるし、事業部、工場、さらに全社にまで展開して使うこともできる。前者の好例が日産自動車パワートレイン開発本部だ。部品の共通性が高く、設計検討の頻度が多い「締結・シール機能」に絞ってSSMを導入している。一方、後者の好例はダイキン工業滋賀製作所(ルームエアコン工場)だろう。この工場は、5年前にSSM開発者・田村泰彦さんに出会って以来、SSMに没頭している。最初は工場内の1チームに適用して始めたのだが、やがて商品関連全部門に導入することになり、ついに業務改革の柱としてSSMを位置付けるまでになった。

SSMの最大の特徴は、不具合情報を「原因→結果」の最小ユニットに分解し、それを必要な分だけ組み合わせて再利用するという仕組みにある。この最小ユニットをSSMでは「分節」と呼んでいるのだが、取り組み当初、ダイキン工業では分節の数を成果指標に掲げていた。つまり、分節数が増えると、社内で「えらい!」と評価されるわけである。これには訳がある。「分節数が100件を超えたあたりから、他の不具合モードとの関係が見え始めます。因果連鎖をどんどん書き出していくことができるようになり、取り組んでいる側がその効果と可能性に覚醒し、俄然やる気が起こってくるのです」(岡田さん)

100分節を超えるとサプライズが起きる。だから、どのチームも100分節作れるまで頑張ろう。SSMが社内に馴染むまでは、これが指標になった。非常に分かりやすい定量目標である。

工場内のいろんなチームがこの目標に取り組んだ。原因→結果のつながりにやたら理屈を付けて議論ばかりしたがるチームは、100まで行くのに時間がかかる。すると、途中でだんだん気力がうせてくる。一方、とにかく100分節を達成することに邁進したチームは、すぐに100まで到達し、そこで覚醒を経験して、もっとSSMにはまるようになる。チームによって格差が出たそうだ。

こんな話を聞くと、学生時代を思い出す。「とにかく小説でもエッセイでもいいから、英語の単行本を1冊読み通してみろ」「この分厚い『チャート式 数学』の参考書を1冊全部やり通せ」とかを、学校の先生に言われたことはないだろうか。理屈はよく分からないが、実際最後までやり通してみると、急に視野が開けてその分野が分かるようになり、自分が賢くなったような気分になる。ある閾値を超えると効果が出る勉強法なのだろう。「100分節」は、ダイキン工業にとって、SSMの閾値だったのだ。

勉強と言えば、自分の勉強部屋などに、スローガンとか計画表とかを貼り付けて、自分を鼓舞させた経験はないだろうか。ダイキン工業では、SSM活動でこれをやっていた。チームごとに、方針や活動計画や分節数の進捗度合いなどを表やグラフなどにして「SSM活動板」と言われる掲示板に貼り出していた。これもヤル気をそそる手法だと思う。

このようなチームごとの取り組みは、いつまでもチームごとに分散したままではなかった。例えば、電気部品であるリモコンの筐体部分と、構造部品であるエアコンのグリルとは、部品としては異なるが、樹脂成形として共通の作業工程を持っているので、過去の不具合事例でも共通の要素を持っている。それらの要素は、SSMをやることによって構造化された知識として整理され、それが構造のための樹脂設計や部品の配置設計に反映されることになる。電気部品チームと構造部品チームのSSMがマージするわけである。

このように他部署と分節がつながり出すことを、ダイキン工業では「知識のジャンプ」と呼んでいる。このジャンプは、SSMを商品に関わる全部門に展開すれば、全社部門間でジャンプが起きる。さらに、海外売上比率が6割を占めている会社なのだから、SSMを日本にとどめず、英語を使って海外にも展開すべきだろう。そうすれば世界規模でジャンプが起きる。そんな議論が、私が取材した当時の2008年10月には行われていた。今のダイキン工業のSSMはどこまで進んでいるだろう? 岡田さんの話が楽しみだ。
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日本科学技術連盟(日科技連)主催「第2回 知識構造化シンポジウム」が、9月3日(金)13:30~17:00、東京・日科技連本部で開催される。昨年10月に開催された第1回では、ISO 9000でお馴染みの飯塚悦功氏(東京大学特任教授)の基調講演とSSM(ストレス・ストレングス・モデル:不具合発生のメカニズムを未然防止に活用するための知識構造モデル)の開発者である田村泰彦氏(構造化知識研究所代表取締役)のSSMによる知識マネジメントの講義が前半を占め、後半は企業のSSM導入事例紹介という構成だったが、今回は事例紹介が主になっていて、より実践的な内容である。シンポのタイトルも「先行各社が明かすSSM実践の考え方とその成果」。

【アイソス日記読者・先着5名様を無料ご招待

受付は終了しました。ご応募ありがとうございました。

当日の講演者とテーマは下記の通り。
◇基調講演:「SSMの推進によるものづくりの再構築」岡田慎也氏(ダイキン工業・執行役員)
◇特別解説:「SSM/構造化知識マネジメントの概要と最新動向」松坂ユタカ氏(構造化知識研究所・執行役員)
◇事例講演:「SSMを活用した設計ノウハウの再構築と実務適用」黒川隆之氏(日産自動車・パワートレイン開発本部)
◇事例講演:「知識の構造化によるナレッジ活用型設計環境の構築について」五十嵐和之氏(三菱電機エンジニアリング・技術推進部)
詳細は下記の日科技連のHPで。
http://www.juse.or.jp/tqm/50/

なお、上記講演者の中で、岡田氏と黒川氏はアイソス2009年2月号で事例紹介記事として、松坂氏は同2009年3月号でSSM解説記事の執筆者として、それぞれ紹介している。
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2,625円でSSMに遇う

SSM(トラブル知識の構造化モデル)開発者の田村泰彦さんと同氏の元師匠・飯塚悦功さん、さらに工場丸ごとSSMにハマッているダイキン工業滋賀製作所の個人的ファンとして、10月2日(金)午後東京開催、参加費2,625円のお金無執着シンポジウム「SSMが実現する新しいトラブル予測・未然防止の世界」はイチ押しです。

冒頭、品質立国の切り札として、SSMの学問的ベースである「構造化知識工学」を飯塚さん(東京大学特任教授)が解説します。飯塚さんというと「ああ、ISO 9000の・・・」というイメージが強いですが、同氏の学問的本領は構造化知識工学にあります(同分野の著書を出しておられないので、品質関係者においてさえあまり知られていませんが)。

続いて、SSM開発者の田村さん(構造化知識研究所代表取締役)のプレゼン。品質手法の開発者自身から話を聞く機会というのは、人生でそう何度もあるものではありません。50年後には、若い品質管理者の間で「いろんな国で普及しているSSMっていうのは、どうも日本発らしいよ」と言われることでしょう。同世代の人の優れた技術を、同時代に評価してください。

このあと事例発表で3社(ダイキン工業、東芝テック、パナソニック)の取り組みが紹介されますが、この中で私が取材して知っているのはダイキン工業滋賀製作所(エアコン工場)です。ここは業務改革の柱にSSMを置いており、例えば圧縮機設計で得た構造化知識が、空調機構造設計でも活用できるなど、部門間での「知識のジャンプ」を経験し始めたので、工場内が沸き立っていました。

最後は、松坂ユタカさん(構造化知識研究所執行役員)によるSSMの導入解説。この人は、元ジヤトコのモノづくり革新推進室主管でSSMの推進経験者。ジヤトコを去る前にお会いした時、「ダイキン工業さんの取り組みを見るまでは、うちがSSMでは日本一熱心だと思っていた」と言っておられました。


本シンポジウムの案内・申し込みなどはこちら

以下は本ブログに掲載されたSSM関連記事です。
2008年10月11日「ダイキン工業のSSM」
2008年10月23日「日産自動車のSSM」
2008年11月28日「Vantage Point 固有技術の問題」
2009年2月7日「飯塚悦功プロジェクト 5」

月刊誌「アイソス」に掲載されたSSM関連記事は下記の通り。
2008年5月号掲載:田村泰彦氏インタビュー記事
「SSMで不具合発生メカニズムを解明 ~不具合の知識を構造化し未然防止のために再利用する~」
2008年10月号-2009年3月号連載:SSMに関する解説と事例紹介など
「予防処置の最終兵器「SSM」~基礎理論とその実践~」

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飯塚悦功プロジェクト第5弾の映像を掲載します。
タイトルは「予測を導くABC構造」です。

今回の映像は、
構造化知識工学の基本となる「ABC構造」、
すなわち、Aという性質を持っているものが、
Bという条件にさらされると、
Cという不具合モードが起こる、
という考え方が生まれるまでの経緯が語られています。
誰も使わない不具合事例集を作成している企業の現場で、
飯塚さんがもっといい方法があるはずだと思って
考えついたのがこのABC構造です。
構造化知識研究所社長の田村泰彦さんが、
当時は東大飯塚研究室の修士・博士課程で、
飯塚さんのこの研究活動を手伝っていました。
当時まだ40代だった飯塚さんが、
生意気な愛弟子(?)と繰り広げた論争の話が見物です。
田村さんはABC構造をベースにしてその後、
SSM(ストレス-ストレングスモデル)を開発するに至ります。

YouTubeのHD(高画質)モードに対応した映像を、
今回からご提供できるようになりました。
お楽しみください。


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ジャストシステムの間違い

一太郎やATOKで知られるジャストシステムは、
本ブログで何回か紹介しているSSMのソフトを作成しています。
Alize(アライズ)という名称の
未然防止のための支援システムで、
ここ数年順調に売れていました。
なのに、ジャストシステムは、メンテ業務だけを残して、
このたびAlize事業から撤退することを決めました。
Alizeが良くても、会社の主力事業が低迷しているからだそうです。
同社はすでに3期連続の赤字を出しています。
SSMソフトは今後、SSM masterが主力になります。

本当はアイソス新年号で、
このAlizeを紹介することになっていました。
アイソス掲載が見送りになったことで、
同事業部の部長さんが当社にお詫びに来られました。
以下は、そのときに聞いた話です。

Alizeの開発当初、ジャストシステムはまず、
企業の情報システム担当者に売り込みをかけました。
ですが、全然売れません。
そこで、Alizeのユーザーである設計者に売り込みをかけてみました。
今度は反応がありました。
大手製造業を中心に、少しずつ売れ始めました。
「システムだから、システム屋に売ればいいと思っていたのが間違いでした。お客さんは、田村泰彦さんが提唱しておられるSSMのコンテンツに納得して買ってくれるのです。コンテンツがわかるのは、システム屋ではありません。システムのユーザーです」(部長さんの言)

いい話を最後に聞かせていただきました。
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Vantage Point 固有技術の問題

「世の中の不具合問題は、固有技術の問題だ」

ISOマネジメントシステム関係者の間で「最近起こっている不具合のほとんどは、技術不良ではなく、管理不良である」という論調があるのに対し、
2008年2月、田村泰彦さん(構造化知識研究所社長、SSMの提唱者)がアイソスの取材で示したアンチテーゼ。「数多くの事例を大局的にみて、管理不良の傾向を議論するならわかるが、1つ1つの品質トラブルの事例を取り上げて、管理不良を論ずるのは全くナンセンス。今、自動車や家電など、製造業の現場ではものすごい複雑な設計を行っているので、設計者の固有技術が絶対的に不足している。だから、品質トラブルが絶えないのだ」とのこと。
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日産自動車のSSM

本日、日産自動車のパワートレイン開発本部を訪問し、SSM(不具合発生のメカニズムを未然防止に活用するための知識構造モデル)の活用状況を取材しました。同社では、部品共通性が高く、設計検討の頻度が多い「締結・シール機能」に絞ってSSMを適用しています。

適用に当たっては、設計者ごとに異なる設計ノウハウを集約するとともに、部品固有の名称の共通化をはかりました。これによって、各設計者が持っているノウハウを横断的に有効活用できるようになりました。

また、データベースからの設計ノウハウの抽出もSSM導入で格段にスピードアップしています。設計者は必要な設計ノウハウをチェックリストの形で端末から引き出すわけですが、従来はたとえば「ボルト締結」では約350ある全項目のチェックに8時間を要していたのですが、現在では検索機能を使って確認すべき項目のみを絞り込んでチェックするので、1時間くらいで済むそうです。

261-nissan-thumb-300x193.jpg肝心の未然防止については、たとえば新規開発エンジンの場合、試作品の実験を何度も行うわけですが、最初の実験では通常いくつかの手戻りがおきます。それを直した試作品をまた実験するということを繰り返すのですが、今回、SSMを導入後に行った新規開発エンジンの試作品の最初の実験では、締結・シール機能に関する手戻りの発生はゼロでした。これによって、設計初期段階から抜け・漏れのない検討ができていることが確認されました。
(写真は今回取材にご協力いただいた日産自動車パワートレイン開発本部の間宮尚久さん(左)と黒川隆之さん)

本取材の詳細はアイソス2月号(2009年1月10日発行)でご紹介します。

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ダイキン工業のSSM

ダイキン工業滋賀製作所のSSM(不具合発生のメカニズムを未然防止に活用するための知識構造モデル)を取材しました。滋賀製作所はルームエアコンを主に生産しており、「TPM特別賞」や「大野耐一賞」などの受賞経験を持つ名門工場で、未然防止についてはFMEAやFTAなどを駆使して取り組んできました。ただ、設計に未然防止情報を的確に取り入れることは至難の業であり、同社も苦労しておられます。そんな折、5年前に田村泰彦さん(構造化知識研究所代表取締役)が提唱するSSMに巡り会い、今それにハマッているとのこと。

SSMについては、最近田村さんが新書版にまとめられましたので、詳細はそれを読んでいただくとして、最大の特徴はやはり、不具合情報を「原因→結果」の最小ユニット(「分節」と呼んでいます)に分解し、それを必要な分だけ組み合わせて再利用するという仕組みにあります。

たとえばOリングで「シール部漏れ」という不具合モードが起きたとします。それを、SSMの5つの要素(【 】内で示しています)を使って分節に記述すると次のようになります。

Oリング【定義属性
の設計において、Oリングの硬度やつぶし代が不足【制御属性していると、シール面圧が不足【ストレングス】するので、シール部圧力が過大【ストレス】になると、シール部漏れ【不具合モードが発生する。(前掲書からの抜粋)


ダイキンさんを取材しておもしろいと思ったのは、この分節の数を指標にしておられることです。「このチームは、分節件数が100件を超えた! えらい!」といった感じです。
なぜ分節件数が増えれば「えらい!」と評価されるのかというと、「分節の数が100件を超えたあたりから、他の不具合モードとの関係が見え始め、分節を書き出すコツもわかってきて、FMEAを書くスピードも速くなってきます。そうなるともう、仕事がおもしろくてしようがなくなるのです」(岡田慎也・滋賀製作所長)とのことです。100件が1つの目安になっており、これを超えてからは、本格的な業務レベルに突入します。

とにかく分節数で100件を超えることが大事なのですが、5つの要素自体についていつまでも議論を続けたり、どの要素に何が入るかをいつまでも考えたりして、なかなか分節数が増えないチームもあります。そういったチームは、いつまでたっても不具合モードの連鎖が見えてこないし、分節を書くのも早くならないので、次第に仕事もおもしろくなくなってくる、つまり悪循環に入ってしまいます。

まずは理屈抜きで取り組んでみて、うまくできなくてもできる範囲でいいからやってみて、とにかく到達点まで登ってみる。すると、今まで見えなかった新しい景色が開けてくる。こういうことって、SSMに限らず、ありますよね。(詳細はアイソス2009年2月号に掲載予定)


写真はSSM取材に対応いただいたダイキン工業滋賀製作所の方々、左から岡田慎也さん(滋賀製作所長)、上野史人さん(開発管理G)、門脇一彦さん(商品開発G)、浜村隆さん(ビジネスフロー革新部)

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