今日はISO 9001:2008の「1.2 適用」から「3. 定義」までで、2000年版から変更のあったところをチェックして、この「ISO9001ユーザーの声」を終了したいと思います。本日始めてご覧になった方は、「あれ、肝心の第4章からの変更点は?」と思われるかもしれませんが、すでに第8章から第4章までの変更点の確認は、本ブログの8月20日〜10月1日で完了しておりますので、そちらを見ていただければと思います。
さて、「1.2」の変更点は、「規制要求事項」が「法令・規制要求事項」に変わった点だけです。この意図は、すでに11月12日付の「ISO9001ユーザーの声 29」で説明した通りです。規格文の第3パラグラフが次のようになります。(下線が追加)
(ISO 9001:2008 1.2 Application)
Where exclusions are made, claims of conformity to this International Standard are not acceptable unless these exclusions are limited to requirements within clause 7, and such exclusions do not affect the organizetion's ability, or responsibility, to provide product that meets customer and appicable statutory and regulatory requirements.
(JIS DRAFT 9001:2008 1.2 適用)
このような除外を行う場合には、除外できる要求事項は箇条7に規定する要求事項に限定される。除外を行うことが、顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たす製品を提供するという組織の能力、又は責任に何らかの影響を及ぼすものであるならば、この規格への適合の宣言は受け入れられない。
「2. 引用規格」については、西暦年の記述がない規格については最新版を適用するという文言が加わりました。こういった対応は、実際日本では、すでに2000年版でも行われていましたね。
「3.用語及び定義」については、2000年版では、1994年版で使用されていた「供給者」を「組織」に、「下請負契約者」を「供給者」に、表現を変更したことを説明していましたが、8年が経過してこの点は周知されたとの判断から、この説明文(第2・3パラグラフ)はすべて削除されました。
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今日はISO 9001:2008「1 適用範囲」の「1.1 一般」を見てみましょう。2000年版の参考では「この規格では"製品"という用語は、顧客向けに意図された製品又は顧客が要求した製品に限られて使われる」と記述しています。
この参考に対して、規格ユーザーから「最終製品が"製品"と読み取れる。中間におけるものや購入したものは製品ではないということになる」とのコメントが数多く寄せられたそうです。そういう解釈でいくと、7.5.3、7.5.4、7.5.5、7.6、8.1、8.2.4、8.3、8.4などに出てくる「製品」に関する活動は、すべて顧客に納入する最終製品にだけ適用すればよいということになってしまい、規格の意図から大きく外れてしまうことになります。
そこで、2000年版のNOTEの記述を改め、下記のようにしました。(横線は削除、下線は追加)
(ISO 9001:2008 1.1 General)
NOTE In this International Standard, the term "product" applies only to the product intended for, or required by, a customer.
NOTE 1 In this International Standard, the term "product" only applies to
- product intended for, or required by, a customer,
- any intended output resulting form the product realization processes.
(JIS DRAFT 9001:2008 1.1 一般)
注記1 この規格の"製品"という用語は、顧客向けに若しくは製品実現プロセス向けに意図された製品、又は顧客に若しくは製品実現プロセスに要求される製品に使われる。これは、購買を含む、製品実現プロセスの結果として生じる、いかなる意図したアウトプットにも適用される。
また、2000年版の「規制要求事項」が、2008年版では「法令・規制要求事項」になりました。理由の詳細は本ブログの「0.1 一般」で述べたとおりです。原文は下記のように改訂されました。(下線は追加された部分)
(ISO 9001:2008 1.1 General)
a) needs to demonstate its ability to consistently provide product that meets customer and applicable statutory and regulatory requirements, and
b) aims to enhance customer satisfaction through the effective application of the system, including processes for continual improvement of the system and the assurance of conformity to customer and applicable statutory and regulatory requirements.
(JIS DRAFT 9001:2008 1.1 一般)
a) 顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品を一貫して提供する能力をもつことを実現する必要がある場合
b) 品質マネジメントシステムの継続的改善のプロセスを含むシステムの効果的な適用、並びに顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項への適合の保証を通して、顧客満足の向上を目指す場合
さらに、2008年版では新規に、NOTEで「法令・規制要求事項」について補足説明が行われています。(下線は追加)
(ISO 9001:2008 1.1 General)
NOTE 2 Statutory and regulatory requirements can be expressed as legal requirements.
(JID DRAFT 9001:2008 1.1 一般)
注記2 法令・規制要求事項は、法的要求事項と表現することもある。
2000年版同様、原文にはないですが、JISには次の解説が付きます。ただ、2000年版では「備考」としていましたが、2008年版では、表現を統一する意味で「注記」に改めています。
(JIS DRAFT 9001:2008 1.1 一般)
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を、次に示す。
ISO 9001:2008, Quality management systems - Requirements (IDT)
なお、対応の程度を表す記号(IDT)は、ISO/IEC Guide21に基づき、一致していることを示す。
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今日は、ISO 9001:2008の「0.4 他のマネジメントシステムとの両立性」を見てみます。2000年版からの変更点は、第一パラグラフのみです。2000年版ではISO 14001が1996年版になっていたので、それを2004年版に更新していますが、主意に変更はありません。変更になった規格文は下記の通りです。(横線は削除、下線は追加)
(ISO 9001:2008 0.4 Compatibility with other management systems)
This International Standard has been aligned with ISO 14001:1996 in order to enhance the compatibility of the two standards for the benefit of the user community.
During the development of this International Standard, due consideration was given to the provisions of ISO 14001:2004 to enhance the compatibility of the two standards for the benefit of the user community. Annex A shows the correspondence between ISO 9001:2008 and ISO 14001:2004.
(JIS DRAFT 9001:2008 0.4 他のマネジメントシステムとの両立性)
この規格の作成過程において、多数にわたる利用者の利便のために、JIS Q 14001:2004の規定を十分考慮に入れて二つの規格の両立性を高めている。
なお、JIS DRAFTでは原文の最後の一文が翻訳されていません。
「附属書Aで、ISO 9001:2008とISO 14001:2004との比較を示す」としています。
両規格の両立性を高めるために、文章表現や用語の整合化が2008年版でも推進されています。例えば次のような例です。
(文章表現)ISO 9001:2008 4.2.4 記録の管理
2000年版では「記録は、読みやすく、容易に識別可能で、検索可能であること」という文章が本文の真ん中に入っていましたが、これをISO 14001との整合性をとって、2008年版では条文の一番最後に移動しました。ちなみにISO 14001:2004では「4.5.4 記録の管理」にこの文章が入っています。ただ、原文もJIS訳も少々違いますが。
(用語)ISO 9001:2008 7.5.1 製造及びサービス提供の管理
2008年版では、device は、すべて equipment に用語が統一されました。JIS訳では両方とも「機器」です。equipment はISO 14001:2004では、例えば 4.5.1 に使用され、JIS訳は「機器」です。
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今日はISO 9001の「0.3 JIS Q 9004との関係」が、2008年版でどう変わったかをみてみましょう。この項目では、文章が大幅に削減されました。というのは、ISO 9001とISO 9004とを関連づける重要な概念である consistent pair の内容が、ISO 9004の次期大改訂によって、修正せざるを得なくなったからです。
この consistent pairというのは「整合性のある一対の規格」という意味で、2000年版においては「ISO 9001とISO 9004とが、単独で使用が可能で、双方で矛盾がなく、概念と用語が整合し、かつ、その章構成が一致している」という概念だったのですが、2009年8月の発行に向けて大改訂作業を進めているISO 9004:2009では、2000年版とは章構成が変わる予定なので、「章構成が一致している」という概念を堅持できなくなります。
よって、「0.3」の第一パラグラフは次のように変更されました。
(横線は削除、下線は追加)
(ISO 9001:2008 0.3 Relationship with ISO 9004)
The present editons of ISO 9001 and ISO 9004 have been developed as a consistent pair of are quality management system standards which have been designed to complement each other, but can also be used independently. Although the two International Standards have differentscopes, they have similar structures in order to assist their application as a consistent pair.
(JIS DRAFT 9001:2008 0.3 JIS Q 9004との関係)
JIS Q 9004は、JIS Q 9001との整合性を保つように開発されている。この二つの規格は、相互に補完し合うように作成されているが、独立して使用することもできる。
なお、JIS DRAFTでは訳していませんが、原文では次のような注記が「0.3」の最後に記載されています。要は、ISO 9004は改訂中の段階にあるということです。
NOTE At the time of publication of this international Standard, ISO 9004 is under revision.
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今日はISO 9001の「0.2 プロセスアプローチ」の2008年版における変更点をチェックしてみます。文章自体の変更はほとんどなくて、用語の使い方が少し変更されただけです。
まず、identify が determine に変更されたこと。JIS訳には変更ありません。ISOの委員会ではidentify という用語はすべて determine に変更しようという申し合わせができていたようですが、FDIS段階では徹底できていません。7.5.3 Identification and traceability(識別及びトレーサビリティ)の本文にはまだ identify が使用されています。
また、第二パラグラフの An activity が An activity or set of activities に変更です。これもJIS訳には影響ありません。活動には、単独活動だけでなく、複数が一緒になった活動もあるからとのことです。
上記2点の変更を含む規格文は下記の通りです。(横線は削除、下線は追加です)
(ISO/FDIS 9001:2008 0.2 Process approach)
For an organization to function effectively, it has to identify determine and manage numerous linked activities. An activity or set of activities using resources, and managed in order to enable the transformation of inputs into outputs, can be considered as a process.
(JIS DRAFT 9001:2008 0.2 プロセスアプローチ)
組織が効果的に機能するためには、数多くの関連し合う活動を明確にし、運営管理する必要がある。インプットをアウトプットに変換することを可能にするために資源を使って運営管理される活動は、プロセスとみなすことができる。
さらに、第三パラグラフに出てくる「プロセスを明確にし」が「望まれる成果を生み出すために、プロセスを明確にし」になりました。これはQMSの有効活用を強調したいというISO側の意図を反映させたものです。規格文は下記の通りです。(下線が追加された部分)
(ISO/FDIS 9001:2008 0.2 Process approach)
The application of a system of processes within an organization, together with the identification and interactions of these processes, and their management to produce the desired outcome, can be referred to as the "process approach".
(JIS DRAFT 9001:2008 0.2 プロセスアプローチ)
組織内において、望まれる成果を生み出すために、プロセスを明確にし、その相互関係を把握し、運営管理することを併せて、一連のプロセスをシステムとして適用することを"プロセスアプローチ"と呼ぶ。
このほか、用語のJIS訳が次のように変更になりました。
左が2000年版の訳語で右が2008年版の訳語です。
performance 「実施状況」→「パフォーマンス」
results 「成果」→「結果」
notice 「参考」→「注記」
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今日は「4.2.4 記録の管理」です。「4.2.4」は「4.2.3」と比較して考えるとわかりやすいです。前日述べたように、「4.2.3」では、記録を作成することが要求され、「4.2.4」では、記録を管理することが要求されています。このあたりの区分けが2008年版で明確になりました。
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「4.2.2 品質マニュアル」については、2008年版での変更はありません。「4.2.3 文書管理」では、f)項の外部文書に関する記述が詳細になります。外部文書といってもいろいろあるので、「品質マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した」外部文書にしようということになりました。
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今日は「4.2 文書化に関する要求事項」の「4.2.1 一般」です。
この条項の2008年版での変更点を理解する上で重要なことは、
1. 記録は文書の一種であること、
2. 記録を作成と、記録の管理は別の条項で規定したこと、
この2点です。
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今まで、「8 測定、分析及び改善」「7 製品実現」「6 資源の運用管理」「5 経営者の責任」の順番で2008年版を見てきましたが、今日から「4 品質マネジメントシステム」に入っていきます。「4.1 一般要求事項」ではアウトソースに関する記述が大幅に改訂されました。
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はたして組織の外にいる人間が管理責任者になってよいものでしょうか?
「いや、それはダメだ。規格の意図に反する」
ISOはそう回答しました。
2008年版での「5.5.2 管理責任者」の変更点は、「管理層の中から管理責任者を任命」に「組織の」を加え、「組織の管理層の中から管理責任者を任命」としたことです。
「5 経営者の責任」全体の中でも、2008年版での原文の変更点はこの1個所のみです。
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デパート向けの弁当を作っている会社を、夜に訪問しました。
現場の作業者は、昼間は女性がほとんどですが、夜勤になると、男性の中高年契約社員と学生アルバイトが主になります。
「他の会社を定年退職してから、ここで働いている中高年の方々は、大変まじめに働くのですが、学生アルバイトはいいかげんな人が多いですね」と、みんなから「主任」と呼ばれている若い正社員が教えてくれました。
例えば、この間アルバイトとして入ってきた大学生3人について。
「『爪を短く切れ』と言っても切ってこないんですよ。『なんで切ってこない?』って言ったら、『だって、ギター部ですから』だって」
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「6.3 インフラストラクチャー」の2008年版での変更点は1個所です。
c) 項の例に「情報セキュリティ(information systems)」が追加されたことです。また、原文の変更ではなく、JISの変更としては、supporting survices を「支援業務」から「支援体制」に表現を変えています。
原文とJISは以下のとおりです。
2008年版で追加された個所が下線、削除された個所は横線で示されています。
(ISO/FDIS 9001:2008)
c) supporting survices (such as transport, communication or information systems)
(JIS DRAFT 9001:2008)
c) 支援体制(輸送、通信、情報システムなど)
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今日は「6.2.2 力量、教育・訓練及び認識」です。
あれ、タイトル変わってますね。
そうなのです。
ISO 14001:2004と整合させるため、
用語の順序を入れ替えて、このようになりました。
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今日から「6 資源の運用管理」に入っていきます。
「6.1 資源の提供」には2008年版での変更はありません。
「6.2 人的資源」の「6.2.1 一般」では、
「製品品質(product quality)」が問題になりました。
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今日は「7.6 監視機器及び測定機器の管理」です。
この項番は、2008年版でけっこう変更があります。
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サービス業から評判が悪い要求事項がこの「7.5.5 製品の保存」です。
「保存には、識別、取扱い、包装、保護及び保存を含めなければならない」というくだりがそうで、「いったいサービス業のどの作業が、要求事項のどれに当たるんだ?」というわけです。
該当しない部分があれば、別にやらなくてもいいわけです。
そこを明確にしました。
「該当する場合」という意味の As applicable が追記されました。
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