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ファシリテーションの最近のブログ記事

坂田和則 渾身セミナー

20120209sakata.jpgアイソス主催による「改善ファシリテーションセミナー」を2月9日10:00〜17:00、東京・丸の内トラストタワー6階で開催しました。講師は坂田和則さん(UL ASG Japan 改善ファシリテーター シニアコンサルタント)です。会場はUL ASG Japan様のご好意により、同社会議室を使わせていただきました(感謝!)。ご参加いただいたのは15名。「渾身のセミナーとはこういうものか」と感動しました。休憩を除く5時間半、身振り手振りを交えながらエネルギッシュに、フロアーに語りかけ、参加させ、体験させ、一緒に話し合い、声を出し、時々緩和剤としてオヤジギャグを飛ばす。終了後、参加者に書いてもらったアンケートでは、ほとんどの方が「期待を上回る内容だった」との評価をいただきました。印象に残った坂田さんの発言を下記にまとめてみました。


まず自分が始める
私が改善活動の支援に入った会社の中で、改善が進む会社とそうでない会社があります。まず、社員の方々がきちんとあいさつできていない会社は、なかなか進みません。「みんながやってくれない」とか「誰々はやってくれない」とか言う前に、まず自分からやってみましょう。今、すぐやってみましょう。本日のセミナーでは何回か休憩をとります。そのとき、みなさんは、この部屋からトイレに行ったり、食事に行ったりと出入りされますが、何か一言、あいさつされてから、出入りをするようにしましょう。「失礼しまーす!」とか、何でもいいですから、一言あいさつしましょう。

ほめられ上手になる
私がある会社に行って、何か良い改善個所を見つけて誉めるとします。すると、「はあ、そうですか」と淡々と受け止める人と、「イヤー、そうですかあ。実は、それをやるのに苦労したんですよ。これこれ、こんなことをやりましてねー」と非常に喜んで話し出す人とがいます。後者のように、誉められると喜び、じゃあ次はもっと頑張ってやろうと考える、そういう人たちがいる会社というのは、改善活動が進みます。

改善モデルだけでは動かない
世の中にはいろいろな改善モデルがあります。TQM、TPM、JIT、ISOマネジメントシステム、5Sなどが有名です。ですが、こういったモデルがあればパフォーマンス改善ができるかというと、なかなかそうはいきません。実際に、どのような見方、聴き方、心構えで行動すればいいのかというところが分かっていないと、うまくいきません。その分野を扱うのがNLPコーチングです。今日はこの考え方をご紹介しながら、パフォーマンス改善の一番最初の下準備として必要なことをご説明したいと思います。

1秒1ミリを改善する
職場のムダをなくすために、工程時間とか作業者の移動距離などをいきなり最初から大幅に減らそうとしても、うまくいきません。職場にそんなことを提案しても、「そんなのできっこない」と現場から言われるでしょう。私は、「1秒でもいいから、短縮するようにしましょう」とか、「1ミリでもいいから、短くするための方法を考えましょう」とか言うようにしています。すると、取り組んでくれますし、取り組んでいるうちに、いつの間にか時間や距離が昨年の半分になったりします。

「つてうかざどふせ」
職場で改善ファシリテーターをつとめる人は、トヨタが定義したロスの8項目、すなわち、作りすぎロス、手持ちロス、運搬ロス、加工ロス、在庫ロス、動作ロス、不良ロス、設備故障ロスを暗記してください。頭文字をとると「つてうかざどふせ」です。職場のある地点に15分間ずっと立ったまま、この8項目の視点で観察してみましょう。すると「あの人はやたらムダな動きをしている」「あの人はよく捜し物をしている」「あのオペレーターは、次の作業にかかるまでぼおーっとして待っている」といったことが見えてきます。

すべてのタイプに分かるように説明する
laufing.jpg視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、体感覚(Kinesthetic)を合わせてVAKと言います。(ここで『VAK48』というオヤジギャグが出る)人間は、このいずれかが強い傾向にあります。視覚タイプの人には、絵を見せて説明してあげてください。聴覚タイプの人は論理的に考える方なので、きちんとロジカルに説明してあげてください。体感覚タイプの人には、現場のOJTで説明しましょう。同じことを同じような方法で言っても、通じる人と通じない人がいるでしょう? 人はこのように3つのタイプがあるので、改善ファシリテーターが大勢の人に説明する場合は、どのタイプにも分かるように説明しなければなりません。つまり、絵でも説明し、論理的にも説明し、現場で実際にやってみせるというように、VAKすべての要素を含めて説明しましょう。

成功イメージを持つ
最後にくじ引きで4つの島(4人1島)に分かれてもらいます。各自、このように思い描いてください。あなたの組織の改善活動がすべてうまく行ったとします。その時に、その成功を報告する人(上司、部下、同僚 etc.)は最初にあなたに何と言って声をかけてくるでしょうか? つまり、ファーストコンタクトです(やったね! おーい、○○君! 大成功! etc.)。各自、自分のファーストコンタクトを思い描きます。決まったら、まず1人目の方が中央に立ち、その回りに他の3人の方が囲みます。3人は中央に立つ1人に対し、後から横から下から上からなど、さまざまな方向から、その方のファーストコンタクトの言葉を大きな声でかけてやります。これを3分間続けます。終わったら、中央に立っている人は、他の3人に対して、今の自分の気持ちを伝えます(「ありがとうございました」「どきどきしました」 etc.)。今度は別の方が中央に立ち、同じことを繰り返し、全員が中央でファーストコンタクトの言葉を浴びる経験をしていただきます。この経験をイメージとして、自分で大事に持っておいてください。


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坂田和則さんのアイソス連載記事『改善活動と人を活気づける 改善ファシリテーションの勧め』が2012年新年号(2011年12月10日発行)で最終回を迎えます。寂しい〜っ! 今回のテーマは「改善ファシリテーションの基本は5S」です。文章を読んでいて、いつもながら感心するのは、コトバ使いの巧みさです。

清掃とは、職場の中のにくいを探し出す活動です。清掃をしながら「ここ、掃除しにくいな〜」とか「この棚の中、ものが多くて掃除しにくいな......」など、にくいを感じることにより、ムダへの鋭敏性を高めることが可能です。鋭敏性が高まると、にくい原因さえも発見するスキルが身につきます。(76頁)
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yamagamismile.jpgISOファシリテーション合宿(月刊アイソス主催、講師:山上裕司氏(写真右)、アシスタント:小熊孝氏)2日目。午前9時から午後5時までみっちりとワークに取り組みました。2日目のテーマは「MS推進者としての3つの力の向上」です。ISOファシリテーションの手法を使って、「ポジティブな関わり力」「チーム思考を促す支援力」「MSのあるべき姿を探究する企画力」という3つの力をそれぞれ高めるワークに取り組みました。初日同様、ワークはグループ(3~4人で構成)ごとで行い、各グループでファシリテーターを1人決めます。ファシリテーターはワークごとに交替し、参加者全員がその日一度はファシリテーターを経験するようにします。

ポジティブな関わり力を高めるワーク
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2pare.jpg「5S活動で元気になる会社でのリーダーの要件は何か」という課題について、3回ワールドカフェを行って議論したあと、グループごとにマインドマップを使ってリーダーの要件をまとめ、発表します。このあと、自己分析のセッションに入り、自分がどのタイプに該当するかを簡単なアセスメントを使って認識してもらい、先ほどまとめたリーダー要件と、自分のリーダーとしてのタイプとを比較しながら、最後に2人ペアでお互いに自分らしい関わり方について話し合います。

【山上さんの印象的なコメント】
ikkadanran.jpg「人との関わりを考える場合、表出されている現象というのはアウトプットであり、そのアウトプットが出ることを支えているインプットがあることに常に考えてください。たとえば、人はよく『あの人はヤル気がある』という言い方をします。これはアウトプットです。そこには必ずヤル気があるための条件、すなわちインプットがあるのです。あるいは、ある人が怒っているとします。それもアウトプットです。そこには必ず、その人を怒らしめている条件であるインプットがあるのです。そのインプットを見てください」

チーム思考を促す支援力を高めるワーク
happyou.jpg次は「チームでちゃぶ台返しセッション」という愉快なネーミングのワークです。テーマは「有効性内部監査を実現するために、今までの内部監査を放り投げ、新しい内部監査のやり方をチームごとに合意の上、考案・提案する」というものです。このワークは、有効性内部監査を実現するために、動機・理由と得たい成果を考え、最終的にシステムの基本構想を打ち出すという流れが書かれたフォーマット用紙をベースに議論を行いました。

【山上さんの印象的なコメント】
「例えば、マニュアルとか手順とかを誰か1人が先に書いてしまって、そのあと、それをみんなに守らせるというパターンが多いのですが、手順化というのは実は最終段階であるべきです。手順化するには、その前に力量の確保がなければならないし、さらにその前にその仕事の実現メカニズムがなければならないし、さらにその前にその仕事の目的が明確になっていなければならない。つまり、目的→実現メカニズム→力量の確保→手順化という流れです。このセッションで学んでいただくのは、この「目的」を高い納得感のもと、チームで決めるためのスキル・手法です」

MSのあるべき姿を探究する企画力を高めるワーク
本研修の最大にして最後の2時間ぶっ通しワークです。これは一度現在の組織の資源を最大限までストレッチさせてから、それを現状と比較し、今、組織にとって何が求められるか、自分がやるべきことは何かを考えるという手法です。やり方は、2人ペアになって、相互インタビューの形式で相手の考えたことを聞き取り、それを発表するというものです。インタビューは次のような問いの流れで進行します。
<貴社が提供できている価値は何か?
<今より資源が10倍以上あれば、どんな価値を提供できるか?
<10倍資源があって提供できた価値から考えると、今はどれくらいの提供価値か?
<現時点より1ポイントアップしたら、今と比べてどんな価値が提供できるか?
<その1ポイントアップのために必要な組織能力は何か?
<その組織能力はどんなMS要素(方針、システム、手順、能力、資源、知識、価値観、風土etc.)から具現化できるか?
<持つべき組織能力とMS要素と現状のMSとを比較するとどこが異なるか?
<1ポイント上げるために私が行うことは何か?

リフレクション
reflection.jpgこのあと、ISOファシリテーションを使ったMS推進手法が5つ紹介され、最後に「リフレクション」に入り、参加者全員が今回の研修を通じて感じたことを1人ずつ話して、閉会となりました。「ISO大嫌い」「実は全然期待せずに来た」「上司に言われて参加した」「ファシリテーションがどんなものか全く知らずに来た」など、参加動機はまちまちでしたが、最後はかなりの納得感を持ってお帰りになったのではないでしょうか。
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RIMG0006.jpgアイソス主催でISOファシリテーション合宿(講師:山上裕司氏、アシスタント:小熊孝氏)が本日から開催されました。参加者は14名です。これは昨春に開催したファシリテーションを使った内部監査研修(半日)のアンケート結果で、「もっと時間をかけて本格的に学びたい」というニーズが強かったことから、今回、一泊二日研修を企画したものです。

山上さんのマネジメントシステム(MS)の考え方はおもしろい。PDCAのうち、DoとCheckは活動領域なので手順でガチにやるものだが、PlanとActは人の思考の領域であり、そこは思考主体でゆるやかにやるべきだ。つまりシステムは非システムの視点(人間の視点)から改善しなければならない。だから、いったん人はMSから脱却・俯瞰して、改善する、それを安全に行うのがISOファシリテーションである、としています。

また、MS構築は、コンサルタントや研修機関など、教えてくれる人がいっぱいいるけど、MS推進については誰も教えてくれない。ISOファシリテーションでは、ここにフォーカスしている、とのこと。

RIMG0022.jpgミニ講義と参加者自らがファシリテーターとして活動するワークが交互進行する刺激的なセミナーです。ワークは参加者が3つのグループに分かれて行われました。初日のワークは、自己紹介を兼ねたアイスブレーク(ワールドカフェ)と4つのトライアルです。各トライアルのテーマは下記の通り。
トライアル1:思考プロセスの組み立て、構図。
トライアル2:発散・傾聴。
トライアル3:構造化による深耕。
トライアル4:合意を通じた共有。

RIMG0004.JPGトライアル4のワークが終了したあとの山上さん(写真左)のコメントが印象的でした。「合意を取るためにはどうすればよいのか。合意というのは、意見が異なる人たちの間で1つの結論を出すということです。結論を出すには、出すための判断基準が必要です。その判断基準はなにを元にして作られているかというと、目的からです。ですから、例えば内部監査であれば、どのような内部監査をしたいのかという目的がはっきりしていれば、それに基づいて、判断基準ができますので、その結果、例えば適合性監査でいくか、有効性監査でいくかと意見が分かれた場合、目的に基づいて結論を出せます。『役立つ内部監査をしたい』というのなら、たぶん『有効性監査』という方向で合意が得られることになるでしょう」
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2010年4月28日午後、月刊アイソス主催によるISOファシリーション講習会(講師:山上裕司さん)が開催されましたが、その模様をアイソス編集部で撮影・編集し、遅ればせながら本日、YouTubeに投稿しました。映像の雰囲気から、ISOファシリテーションのおもしろさ、楽しさを感じていただければウレシイです。

ISOファリシテーションとは、「組織の現場で働く人々が主人公であるマネジメントシステムを創ることを目的とし、そのために必要なヒューマンスキルとして、どのような組織能力を高めることが重要かということを、できるだけ体系化したいという試み」(山上さん)です。山上さんのこの試みは現在も、組織への支援や研修などの活動を通じて、発展を続けています。




月刊アイソス主催で山上裕司講師によるISOファシリテーション合宿を企画しております。ご関心のある方はこちらを。
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監査後に見る「監査マップ」

内部監査のあとに、今行われたばかりの内部監査のやり取りを視覚化した図を見ながら、監査側と被監査側が一緒に振り返る。そういう試みが、大阪で行われ、取材してきました。

201015三陽商事2.jpg内部監査に、監査側でも非監査側でもない人が1人立ち会い、監査でのやり取りを模造紙にマーカーを使って、ひたすら記録していきます。記録といっても、文章による議事録のようなものではなくて、話し合われている内容のキーワードを抽出し、それらがどのように結びついているかを連関図のように描いていきます。「マインドマップ」や「ファシリテーション・グラフィック」のような視覚的な手法です。とにかく、ここではこの図のことを「監査マップ」と言っておきます。

ただ、内部監査中は、監査側も被監査側も、その監査マップを見る余裕はありません。監査側は問いかけることに、被監査側は答えることに専念しています。なので、監査マップが生きてくるのは、監査が終わってからです。

201015三陽商事1.jpg監査後に、監査マップを見ると、監査でのやり取りの要点が短い言葉で表現され、それらがどのようなカテゴリーに属し、他のどのような要点と関連しているのかがひと目で分かります。今やったばかりの2時間の監査内容が視覚化され、何が大元になっている問題なのか、どこをもっと突っ込むべきだったのかといった課題が見えてきます。

取材当日、経営者を対象とした内部監査も実施され、その監査後に監査マップを見ながら、監査側と被監査側とが一緒になって10分程度の議論が行われました。あとで社長から感想を聞くと、「監査中は、監査員とのやり取りに集中しているので、1つ1つ、個別の問題に対応しているといった感じだったが、こうやって模造紙に描かれた図を見ると、今監査でやっていたことは、実はシステムの問題なんだと再認識できる。また、内部監査中は興奮気味だった気持ちも、監査後にこの模造紙を見ながら振り返ると、クールダウンしてくる」と述べておられました。

このとき、模造紙にひたすら監査マップを描いておられたのは、山上裕司さんです。山上さんは、内部監査後に、自分が描いた図についてコメントを述べ、監査側・被監査側から感想を求めておられました。山上さんは「今回自分がやったような、内部監査に直接参加せず、第三者的にクールに内部監査を見ながら、そのやり取りを絵にしていく人が、社内に1人いてもいいのではないか」と述べています。
(今回の取材記事はアイソス2月号に掲載する予定です)
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100405Kahane.jpg世界的な紛争解決ファシリテーターであるアダム・カヘンさん(写真Adam Kahane)をメインスピーカーとするシンポジウム「Power and Love 〜私たち一人ひとりの社会変革〜」が、本日午後、SoLジャパン主催で東京の日本財団ビルにおいて開催された。前半はカヘンさんの講演と会場参加者どうしのディスカッション、後半はワールドカフェ(時間を決めて小グループで議論を数回行い、次の議論に入るときは、参加メンバーの1人だけホストとして残し、残りのメンバーは前回と違うグループに入って、残ったホストは前回の議論内容を新メンバーに報告してから、その内容を発展させる方向で次の議論に入るという討論形式。大事な点は、人の話を傾聴すること、人の話に良否の評価を言わないこと、グループメンバー全員に発言の機会を与えること)を通して、参加者一人ひとりがどのような社会変革ができるかを考えるというプログラムである。カヘンさんによる講演骨子は次の通り。

すべての葛藤の中に存在する power and love
「昨年12月のコペンハーゲン会議(COP15)に参加した時、power勢力とlove勢力の対立が見られた。power勢力は先進国であれば今の地位を保つため、途上国では生き残るために自己主張し、love勢力はデンマークの議長の発言に見られるように、人間みんながつながっていることを主張した。これはCOP15に限った話ではなく、世界のすべての葛藤の中にpowerとloveの対立があって、これは普遍的な人間の衝動だ」

powerとloveの両方が必要
「powerというのは、自己実現のこと。loveというのは、もともと1つであったものが切り離されているので、それを1つに戻すこと。powerにもloveにも、『生成』と『対抗』がある。powerが対抗するのは、loveがないからであり、loveが対抗するのは、powerがないからである。キング牧師が『愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力である』と言っている。複雑で手強い問題を扱うには、powerとloveの両方が必要だ」

両方同時には使えない
「人にpowerとloveの両立を言うには、まず自分がpowerとloveの両方を使えなくてはならない。しかし、この両者はディレンマなので、同時に使うことはできない。ちょうど、左足がpower、右足がloveだと考えればよい。人間はこの両足を交互に使うことによって、スムーズに歩行することができる」

使いこなすための3つのステップ
「powerとloveの両方を使いこなすためには3つのステップがある。第一に、この2つの衝動が存在することを認識すること。第二に、人間はこのどちらか一方が強かったり弱かったりするものだから、弱いほうを強くすること。気をつけなければならないのは、強いほうを弱くしたりしないことだ。なぜなら両方とも100%強くしなければならないからだ。第三に、練習をすること。頭で理解したつもりになっても、実際にはなかなかできないものだ。なぜ、できないかというと恐いからだ。恐いからこそ一歩を踏み出そう」

ナションのように第一歩を踏み出せ
「私のセカンドネームは『モーセ』だ。みなさんもモーセが海を渡った話はご存じだと思う。私はある会議で、ある熱心なユダヤ教徒からモーセの話を聞いたが、そのユダヤ教徒は『本当はモーセが海を切り拓いたのではない。背後からは兵隊が攻めてくるが、目の前には海があるということで、実はモーセもどうしたらいいかわからなかった。その時、ナションという若者が海に入っていった。彼の体が鼻のあたりにまで海に浸かった時、海が切り拓かれたのだ』と述べた。私はこの話が気に入っている。ナションのように第一歩を踏み出さなければならない」

チョイスではなく、ディレンマだ
「power側はlove側の弱い所しか見ない。love側を認め、人とつながらなければならない。一方、love側はpower側の抑圧的な所しか見ない。power側を認め、力がないと何もできないことを認識すべきだ。powerとlove、このどちらかを選ぶのではない。この両者はチョイスではなく、ディレンマなのだから」

ワールドカフェ
休憩をはさんで、このあとリーアン・グリロさん(カヘンさんの同僚)がファシリテーターとなって、ワールドカフェが実施された。1グループ4人で、3回メンバーを交替しながらディスカッションを行った。テーマは、第一回目は「自分自身の体験からpower and loveについて語る」、第二回目は「第一回目の議論の中で何が学べるか」、第三回目は「個人として社会改革にどのように取り組むのか」。ワールドカフェの後、参加者からの感想と、それに対するカヘンさんのコメントがあった。ワールドカフェ後のフロアからの印象的なコメントは次のとおり。

現実のすごいストレスの中でできるか?
「このような平和的な状況の中だけでなく、実際のコンフリクトの中でpowerとloveの両方から実践できなければならない。現実のすごいストレスの中で、どうやって実践すればいいのだろう」
「阪神大震災の時、会社で有給を取って、被災地でボランティア活動をしていた人たちは、本当にpowerとloveの両方を兼ね備えて活動を行っていたと思う」

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馬鹿sを踏みに

私は高校を出て、夜間大学に進学したのですが、私の科には若者に混じって、髪に白いものが混じる年配の方も数名おられました。このあたりが夜間らしいところです。

昨日はNPO法人・日本ファシリテーション協会(FAJ)東京支部主催の「ファシリテーション・トライアル」に終日参加してきました。そこではいろんなイベントが催されているのですが、私が出席したのは「はじめのいっぽ  〜ファシリテーター実体験!〜」です。定員20名のクラスに、私のような白髪交じりが確か3名程度。若い人たちの笑顔、元気、純粋な気持ち、自分よりもはるかにうまいプレゼン、対話のうまさ、自然な話の引き出し方、そういった渦に巻き込まれながらも、司会が「最初に発表したい方!」「これについて何か意見は?」と言うと、私はとにかく真っ先に手を挙げ、2番手以降の方々の発表ですぐに内容的に追い抜かれ、「なるほど!」を繰り返すという馬鹿sを踏み......


夜学で一緒に勉強した少数年配組の方々の顔は、今でもはっきり思い出せます。あれから30数年。今度は自分が少数年配組になる場に入っていくことになりました。
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ある会社での「QMSを活用するための戦略目標会議」を取材する機会を得ました。階層で言えば、会社の役員、営業所長が参加する経営会議に相当します。

会議は、社長さんの決意表明でスタートしました。
「ISO 9001を認証取得したが、うまく回っているだろうかという問いかけを自分自身にしてみると、ノーだった。QMSが仕事とは別なところにある。QMSを、私たちの仕事をもっとやりやすくするために、もっと生かしていきたい。そのために本日、役員の方々に集まっていただいた。今日の最終的なゴールは、『我が社の重点課題は何か』を、みなさんと一緒に見ることができ、今後はこれをベースに取り組んでいこうとみなさんに思っていただけることだ」

660-yamagami22-thumb-200x150.jpgこのあとの進行はファシリテーターにバトンタッチです。ファシリテーターは、株式会社イノベイション代表取締役の山上裕司さんです。「さあ、元気に話し合いを始めましょう! 私の役目は支援役で、主人公は皆さんです」という挨拶から、会議はスタートしました。(写真は山上裕司さん)

この会議は、事前に課長職以上の方々全員に、「当社が解決すべき問題は何か」「それが問題だと思う理由は何か」「その問題を引き起こしている原因は何か」「原因除去のためにどのような方策が必要か」という4つの質問に対するアンケートに回答してもらい、その集計結果をもとに議論が始まりました。集計結果を私も見せてもらいましたが、各質問の意図に沿って冷静に書いておられる人もいれば、自分の日頃の思いや不満を感情的に書いておられる人もいます。これを元にどうやって話し合いをするのだろうと興味津々でした。

山上さんは、アンケートの記述内容から、まず「事実」を抽出する作業を参加者に求めました。書いておられる方の意見や信条や解決策ではなく、「確かにこれは会社で起こっている事実だな」とみんなが納得できるものを挙げていきます。会場のスクリーンにはプロジェクターを使って、マインドマップが映し出され、参加者が挙げていく「事実」を、枝分かれした項目として、どんどん追加していきます。

661-mindmap-thumb-200x114.jpgアンケートには課長職以上の21名全員が回答しています。その21名分すべてについての事実抽出が終わった時、スクリーンの中央には「起きている事実はなにか」という文字が書かれていて、そこから大きな枝から分かれた「組織」「システム」「製品」「人」というカテゴリーが作られ、さらにそこからサブカテゴリーの枝が作られたあとに、抽出された事実がすべて記述されているという、大きな放射状構造ができあがっていました。これで、今会社で起きている事実を、1枚の絵で見ることができるようになったわけです。

662-giron-thumb-200x150.jpg次のセッションは、この事実の一覧表から、どの事実とどの事実が連鎖しているかを、みんなで考えるというものでした。事実の連鎖を挙げていく作業を進めていく中で、ある方が、なぜ社員教育がうまくいかないのか、なぜ人材の育成がうまくできないのかについて、ホワイトボードを使ってループ図を描き始めました。もともと、マインドマップ上でも、「人」に関する事実が最も項目数が多かったこともあって、じゃあ、「仕事をきちんとやるにはどういう順番でやっていけばいいか、循環図を書いてみよう」ということになりました。

その前に、今までは社内の問題を中心に扱っていたので、社外の、つまり会社を取り巻く顧客、技術、市場はどういう状況になっているのかについても話し合いを行いました。

最後のセッションは、みんなで議論しながら循環図を作ることです(「システム思考」と一般的に呼ばれている技法です)。「仕事がうまく行えないのは、仕事の定義がきちんとできていないからではないか?」というところから出発して、「仕事の定義」→仕事を行うための「組織構造」→「必要な力量項目」→「力量の確保」→「仕事の質」という順番にループが描かれていきます。このループには、外からの要素も描かれます。例えば、「力量の確保」には、「世代交代」という要素が加わり、「仕事の質」には「システム化」「協力企業の質」といった要素が入ります。このループは最終的には「計画」にたどり着き、「計画」の矢印は「仕事の定義」につながって循環します。「計画」には、先ほど話し合った、会社を取り巻く「顧客・技術・市場の変化」が外からの要素として結びついています。

663-junnkannzu-thumb-200x150.jpgこの循環図の完成によって、自分たちの会社で起こっている事実をもとに、会社がどのような連鎖で回っているかを一望することができるようになりました。最後に山上さんは2つのやるべきことを述べます。「真っ先にやるべき課題はどれか?」「誰が推進してやるのか?」を決めて欲しいと。「誰が推進してやるのか」については、社長一任となりました。「誰が推進するか、そのメンバーは、来週月曜日に発表しますから、みなさん、週末はドキドキしてください(笑)」との社長のコメントがありました。その推進メンバーが、「真っ先にやるべき課題」を決めることになるでしょう。(この会議終了後に参加者全員が循環図に署名をしました。写真は最初に循環図に署名する社長さん)

まる1日会議に参加させていただきましたが、これはISO効果が出ていないと感じている組織にはぜひ必要な作業だと確信した次第です。この取材記事は来年のアイソス4月号(2010年3月10日発行)に掲載する予定です。
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ISOファシリテーション

449-yamagami-thumb-250x287.jpg山上裕司さんは数年前、ISOのコンサルティングや審査を続ける中、同じ業種でよく似たマニュアルや手順書を作っていても、パフォーマンスで大きな成果を出している会社とそうでない会社があることに気づきました。

パフォーマンスに優れた会社は、経営層やマネージャーが現場の人とうまくコミュニケーションを取りながら、どうすれば成果が出るかを常に考えながら仕事をしていますが、あまり成果が出ない会社は、ISOの仕組みを作るだけで安心してしまって、「決め事は作ったんだから、あとは守らせればそれでよい」と考えているようです。

せっかくISOの仕組みを持っているのだから、あとは話し合い力を向上すれば、もっとパフォーマンスを出せるのではないか。
自分はその話し合い力をつけていただくためのお手伝いをしよう。
そう思って始められたのが、プロセス・ファシリテータという仕事でした。

山上さんは、超ISO企業研究会(飯塚悦功委員長)の委員であり、ISOコンサルタント・QMS審査員・ISMS審査員でもあります。
昨日お会いして、お話をおうかがいしました。
アイソス2009年7月号でご紹介する予定です。

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