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マネジメントシステムの最近のブログ記事

ISO 14001は、昨年11月のISO/TC207の会合において、全員賛成のもとで次期改訂作業に入ることを可決。2月20日〜22日開催のベルリン会議が、その改訂作業のための第1回会議となる。今後、3年弱の議論を行い、2014年秋には改訂版が発行される予定。現行のISO 14001:2004は第2版で、初版は1996年に発行されているが、初版から第2版への改訂は追補的な内容にとどまっていたが、次回の改訂は「大改訂」となる。

次期改訂で議論される主な項目は次の7つが予定されている。
1.環境パフォーマンス、環境パフォーマンス指標の要求事項の強化
2.法令順守へのコミットメント、知識・理解の実証という概念の考慮
3.ライフサイクル思考及びバリューチェーンの観点、本業プロセスでの戦略的考慮
4.コミュニケーションに関する戦略的、体系的なアプローチの導入
5.要求事項への適用が序々に広がるような成熟度評価の適用についての考慮(認証取得15年の企業と、始めて認証を取得する企業とを、同じスペックで審査するのか? グレード別審査もやっていいのではないか? という議論)
6.ISO 26000では、環境課題として「汚染の予防」「持続可能な資源の利用」「気候変動の緩和と適応」「自然環境の保護と回復」の4つを掲げているが、ISO 14001は主に「汚染の予防」だけである。それでいいのか?という議論
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日本能率協会(JMA)主催による「第8回食品安全シンポジウム」が3月1日・2日、東京都港区の三田NNホールで開催されるが、スピーカーとして初日に登場するイオングループ商品改革マネージャー・篠原雅義氏の「イオンが推奨するGFSI規格」と題する講演は、イオンと直取引のなく、イオン情報が不足している食品安全関係者は、聞いておいて損はない話だと思う。

ここで言う「GFIS規格」とは、GFSI(Global Food Safety Initiative)が承認している10個の認証スキーム(BRC、CanadaGAP、FSSC 22000、GAA、GLOBALGAP、GRMS、IFS Food Version 6、PrimusGFS、SQF、Dutch HACCP)のことを指していると思われる。このうち、日本で注目されているのはGLOBALGAPとFSSC 22000である。

GLOBALGAPは欧州主導で作成された、食の安全確保のための農場向けの管理規格。日本には日本GAP協会が開発したJGAPがあり、3月にはGLOBALGAPとの同等性認証が実現する予定。そうなると、日本GAP協会認定の認証機関によって、日本語の審査により、JGAP+GLOBAGAPの認証を取得することができるようになる。2011年11月30日現在でJGAP認証農場は全国に1,651ある。

一方のFSSC 22000は、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO 22000とPAS 220(食品製造における食品安全のための前提条件プログラム)とを合体させた規格。日本国内においては、日本コカ・コーラが2012年を期限としてサプライヤー170社に対し、GFSIが承認した食品安全システム規格の第三者認証取得を要請し始めたことから、FSSC 22000の認証取得が一気に広がった。日本におけるFSSC 22000認証のほとんどはコカ・コーラ関係である。だが、このサプライヤー170社が取り終わった後の「ポスト・コカコーラ」はどうなるか。

そこで注目されるのがイオンなどの流通関係者のGFSI対応である。例えば彼らが、取引先に対し、GFSI規格の認証取得を「推奨」あるいは「必須」とすることになれば、GFSI規格の目玉であるFSSC 22000認証を取得する組織が一気に増加する可能性が出てくる。
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東京都を取材しました。平成23/24年度における東京都建設工事競争入札参加者は、平成23年4月1日時点で8,672者あり、このうち1,969者がISO 9001の認証を取得しています。取得率は22.7%です。東京都は建設業者をA、B、C、D、E、無格付けの6段階でランキングしています。「A」という最高位に格付けされた建設業者でも、ISO 9001の取得率は8割弱くらいです。「A」の建設業者は、ここ数年330〜360者くらいあるわけですが、この中の60〜80者くらいはISO 9001を取らずにランクAを維持しているわけですね。(詳細はアイソス4月号で)
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20111128ADEKA.jpgフローダイアグラムをベースに、生物的(B)、化学的(C)、物理的(P)要因ごとにハザード分析をやる。これは、ISO 22000(食品安全マネジメントシステム)に取り組んでおられるところなら、一般的に実施している方法である。これが、ほぼISO 22000+PAS 220という構成をとっているFSSC 22000対応となると、どうか? PAS 220の要求事項に対しても、1つ1つBCPハザード分析をやっている食品工場が、どれだけあるだろうか?

「BCPハザード分析は、ISO 22000においては、『ハザード分析一覧表』という形で市販の書籍でも紹介されている方法なのですが、当社がその書式をPAS 220に応用することにたどり着くまでには、紆余曲折があり、結構時間がかかりました」(ADEKA担当者)

ADEKA鹿島工場内にある業務用クリーム工場が実施しているFSSC 22000では、PAS 220の全shallに対して、BCPハザード分析を行っている。徹底するとこうなる、という事例。その危害分析一覧表の抜粋がアイソス3月号(2月10日発行)に掲載されているので、関係者は一度ぜひご覧になっていただきたい。
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インフルエンザ対策の知恵

数年前、日本の多くの会社がインフルエンザ対策を講じました。インフルエンザで社員が会社を休んでも、別の社員が代行したり、別の班の社員がヘルプしたり、休む社員が多い場合は仕事量を縮小したり、他の事業所に応援を頼んだりといった対策を立てていました。

そういった会社が、昨年の東日本大震災で震度5前後で被災した時、ある会社は、点呼が取れなかったり、安否確認の仕組みが機能しなかったり、担当者が不在だと何もできなかったりしました。また、ある会社は、インフルエンザ対策の知恵を生かして、
点呼を取ることができ、安否確認を完了しました。担当者が不在でも代行したり、ヘルプしたり、他から支援を受けたりしながら、仕事を続けることができました。

インフルエンザ対策を、今に生かせる会社とそうでない会社があります。
取材でそんなことが見えてきました。
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ISO認証のダブル評価

現在、国交省や東京都などに、公共工事発注側のISO認証に対する加点評価について取材をしている最中です。

客観的事項審査である経営事項審査(経審)で評価対象になるISO認証は、その企業の建設業を営むすべての営業所が認証範囲に含まれていなければなりません。本社だけで取っているとか、建設の仕事をしている営業所が1つでも認証範囲から抜けていたりすると、もう認められません。評価点数は全国一律で、ISO 9001、ISO 14001、それぞれ5点ずつです。

一方、公共工事を発注している地方自治体の中には、主観的事項の審査で、ISO認証を取得してさえすれば、認証範囲を問わずに加点評価するところもあります。評価点数は地方自治体によって異なりますし、評価をまったくしないところもあります。

このように、客観的事項審査と主観的事項審査とではかなり違いがあるのですが、特に変だと思うのは、ISO認証を二度評価する地方自治体があることです。経審で評価されたISO認証を、地方自治体がもう一度主観的に評価するわけです。同じ内容のものを二度も評価する必要があるのでしょうか? 経審のISO認証評価導入によって、逆に受発注者双方の業務負担が増えたのではないでしょうか?
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マリコンの船力

3.11対応について某マリコン(海洋土木・港湾施設建築工事を中心とする建設業者)を取材しました。東北地域の拠点に対する救援物資や資材・重機などの搬送には主に船舶を使ったといいます。一度に大量に運べるだけでなく、目的地まで地震による道路交通網の遮断などの障害を考えなくて済みます。関東地域からの搬送は、千葉の某港から出港するわけですが、原発事故の影響で、千葉までしか運搬しない業者もいます。江戸時代の廻船ルートのように、全国を結ぶ船舶輸送網が、この時に役立ったそうです。

建設業者は仕事上、無線機をよく使いますが、震災時には携帯電話がつながらないので、無線機も貴重な通信手段になりました。この教訓を生かし、無線機を大量に購入して常備数を増やすとともに、役員や部長クラスには衛星電話も常に携帯させるようにしたといいます。

こういった話を聞きますと、私のように事務系で主に屋内で働いている組織よりも、屋外の現場で働いている組織のほうが、やはり生きる術に長けていると思った次第です。
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急成長するJGAP認証

20120116takeda.jpg日本GAP協会(JGAP)専務理事の武田泰明さん(写真)にお会いした。GAP(Good Agricultural Practice:農林水産省の訳語では「農業生産工程管理」)とは、工程管理に基づく品質保証の考え方を農業現場に導入したもので、食品事故などを未然に防ぐための農場管理手法である。欧州発のグローバルGAPの考え方を、イオンや生協が仕入れ先の農場管理のために導入したのが日本での始まりで、その後地方自体も個々にGAPを導入し始めたことから、日本での統一GAP基準(JGAP)を策定すべく2006年に日本GAP協会が設立され、2007年11月からJGAPによる第三者認証制度がスタートした。武田さんはこの事業を立ち上げたプロモーターである。

食品安全については、工場や流通段階ではHACCPやISO 22000といった基準があったが、その大元となる農場にはこれまで管理基準がなかった。JGAPはその大きな抜けの部分を埋めるものだ。事業を立ち上げた頃は、仕事が入らず大変暇だったそうである。それでもコツコツ講演をしながら、普及活動に努めた結果、認証件数が伸び始め、2011年9月現在で1,634件になった。グローバルGAPとの同等制認証(ISOの世界で言うところの相互承認)にも取り組んでいる。

今後認証は急ピッチで伸びると武田さんは考えている。2015年3月時点での目標認証件数は2万2千件。根拠のない数字ではない。同協会の流通側メンバーであるイオン、ダイエー、日本生協、イトーヨーカ堂、CGCらが、現在取引先農場にJGAP導入を検討・推奨もしくは要求し始めており、これら傘下農場数は、認証目標数字よりも多い。農作物の貿易自由化が進むと、日本の農作物の食品安全を対外的に証明することが必須になってくる。その時にJGAP認証は大きな武器になるだろう。
(詳細はアイソス4月号に掲載予定)
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新経審施行後のCAの行方

4月号で建設特集を予定しているので、2011年4月施行の新経審でISO 9001/14001認証が加点対象になったことが、どれだけ公共工事入札の業務効率化につながっているかを取材しようと国交省の建設業課に電話を入れてみましたら、一昨年取材対応していただいた好人物の若者はすでに転籍になっていて(だいたい3年くらいで異動があります)、新担当者からは「新経審施行後の取りまとめはまだやっていませんので、あれから進展はありません」という回答が返ってきました。

「取りまとめ」というのは、役所がよく使う言葉ですが、要は政策を計画し、施行するまでのPDはやったものの、まだその政策効果の検証(=取りまとめ)や見直しというCAはやっていないということです。このCAに、今後、建設業課長さんが関心を示してくれるかどうかですね。
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20111206unemoto.jpg埼玉県の産業廃棄物中間処理業者・石坂産業写真:畝本典子社長)のISO 50001の取り組みを取材しました(2011年10月同規格による認証取得)。同社はすでにISO 9001、14001、27001、OHSAS 18001の認証を取得しており、そこにさらにISO 50001を加えた統合マネジメントシステムを構築・運用しています。

20111206ishizaka.jpg同社のマネジメントの大きな特徴はデータマイニングの積極活用です。例えば、エネルギーについては、工場内の32の要所に配置された「エコウォッチャーⅢ」と呼ばれる電力監視装置。このシステムにより、どの工場のどの設備が稼働中で、どれくらいの電力が使用されているかを、パソコンのモニターを通じてリアルタイムに把握することができます。また、稼働状況や電力消費量などがデータとして蓄積されていきますので、前年同月比や電力の使用量と生産量との比較等の分析ができますから、エネルギー効率がどれくらいで、どの部署にどのような改善が必要かも見えてくるとのことです。(写真左から石坂知子・専務取締役、畝本典子・取締役社長、熊谷豊・経営企画室室長、横田紀夫・管理部ISO事務局長

一方、基幹システムを年度内に完成させる予定で進行中です。搬入から出荷までのデータをすべてコンピューターに入力し、それらを集計する際に経理システムと連動させます。例えば、PDAに入力した給油データをデータ転送しシステムに取り込むことで、一方でエネルギー使用量としてデータ化されるとともに、一方では経費として会計処理されるという具合です。前述した
「エコウォッチャーⅢ」という入力装置を使ってデータをきちんと回収する仕組みを作って、リアルタイムにエネルギーやコストの数値の動きを見える化するのがねらいです。

このような取り組みによって、エネルギーマネジメントとしてどのような最終形態を目指しておられるのでしょうか。この点について畝本典子社長は次のように述べています。
「具体的にどの工程でどれくらいCO2が排出されているのか、そのデータを見える化することで、社員の1人ひとりの活動が、どれくらいCO2を排出しているのか、あるいは削減しているのか、それを社員に教えてあげることは非常に重要なことだと思います。社員がやってくれている活動が、どのようにCO2を削減し、経費を削減し、品質を向上していることに結びついているかを捉える、そういう方向に行かないと、経営の全体的な向上は難しいでしょう」

(詳細はアイソス2月号〈2012年1月10日発行〉をご覧ください)
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20111222hirabayashi.jpgISO研修機関・テクノファ(平林良人社長、本社・川崎市)主催による「第18回年次フォーラム」が12月22日、東京都品川区の「きゅりあん」で開催された。今回は飯塚悦功氏、今野能志氏、藻谷浩介氏の3名を講師に招き、400名近い来場者を迎え盛況を博した。冒頭、主催者を代表して平林社長(写真左)があいさつ、「マネジメントシステムというのは人が最も大事。人がつながって強くなるという日本の本来の特徴を生かさないと、日本は強くならない」と述べた。以下、講演3題の骨子を報告する。


講演1:「ISO 9001認証の社会的価値と有効活用」
飯塚悦功(いいづか・よしのり)氏〈東京大学大学院教授〉


20111222iizuka.jpgISO 9000には、「基準・指針としてのQMSモデル」プラス「QMS認証制度」という2つの側面がある。ISO 9000に期待されているところは、製品を通して顧客に提供される「価値」にある。その目的達成のためのアプローチとしてPDCAがあるが、PDCAにはそれぞれ2つの要素がある。Plan(計画)には「目的・目標の明確化」と「目的達成のための手段・方法の決定」、Do(実施)には「実施準備」と「実施」、Check(確認)には「目的達成に関わる進捗確認と処置」と「副作用の確認と対応」、Act(処置)には「応急処置と影響拡大防止」と「再発防止・未然防止」。PDCAを賢く回すための多くのパターンが「再発防止・未然防止」から「目的達成のための手段・方法の決定」へのフィードバックである。
一方、QMS認証制度には、「能力証明(QMS構築・運用・改善能力の証明)」と「能力向上(認証プロセスを通じた能力向上)」の2つが期待されている。この認証が価値を生み出すためには、認証基準が妥当であり、基準適合行動・認証プロセス・認証結果の活用が適切でなければならない。
ISO 9000を有効活用するためには、基本動作を徹底し、 内部監査や認証機関によるサーベイランスという継続的な見直しを活用すること、また第三者認証という「外圧」をうまく利用することである。また、ISO 9000を超える仕組みとしては、TQMへのステップアップや、JIS Q 9005による競争優位のためのQMS、ISO 9004:2009による組織の持続的成功のための運営管理などが提供されているので、活用いただきたい。


講演2:「組織マネジメントにおける人間関係  一人ひとりがモチベーション高く、活き活きと活躍するために」
今野能志(こんの・ともゆき)氏〈行動科学研究所代表取締役〉


20111222konno.jpgモチベーションとは「自らやる気になること」である。では、どういうときにやる気が起きるかというと、やりたいことをやりたいときにやれるときであり、それはすなわち組織においては「目的を持って働くこと」である。私がモービルに入社した時、上司から「会社なんか、いつ潰れるか分かりません」と言われた。それは「だから、あなた自身が目的を持ってしっかりと働かないとダメなのです」という意味。働く目的を持っている人は、仕事を楽しむことができ、実際にいい仕事をするものである。
人の全人生の中で、仕事人生(Working Life)の占める割合は人によって異なる。人生のほとんどを仕事に費やす人もいれば、趣味や遊びを重視する人もいる。さらに仕事(Work)も、報酬を伴うものと、伴わないものとがある。例えば、報酬を伴わないボランティア活動に熱心な人は、報酬の重要性がよく分かっているので、報酬が伴う仕事にも一生懸命取り組むことが多い。
キャリア(仕事を中心とした人生展開)には、内的キャリア(仕事の価値・意義)と外的キャリア(仕事の種類・分野)があるが、ボランティア活動に熱心な人は、内的キャリアが充実している、つまり働きがい・生きがいを感じているのである。
我々が提供する「キャリア開発(Career Development)」というのは、内的キャリアと外的キャリアの統合である。これは組織にとっては、適材適所ということだ。キャリア開発のキーワードは自己決定・自己責任である。自分の物差しをもって、自分のキャリア目標を決めることが重要だ。そのためには組織は、組織のために人を大切にするのではなくて、その人のためにその人を大切にし、その人のキャリア開発を支援しなければならない。また、日本の組織はこれまで同質・均等を大事にしてきたが、これからは異質・異能を大事にしなければならない。それが多様性(Diversity)ということだ。
キャリア開発を成功させるためには、コミュニケーション・スキルが必要だ。コミュニケーション・スキルとは、アサーション・スキル(自分が伝えたいことをきちんと伝えられること)と、リスニング・スキル(一人ひとりの違いを尊重しながら、きちんと相手の話を聴けること)の両方でパッケージになっている。コミュニケーション・スキルを身につけ、お互い仕事が楽しめる環境を作ることが大切だ。


講演3:「デフレの正体と震災後日本の針路」
藻谷浩介(もたに・こうすけ)氏〈日本政策投資銀行参事役〉

20111222motani.jpg私のこれからの話は政府機関などがウェブで公表している統計であり、話すのは事実だけで、私の意見などはほとんど入っていない。マスコミや経済学者が言う「日本経済は凋落している」とか「日本の貿易黒字は減少基調」とかいった発言に振り回されてはいけない。日本の輸出額は、プラザ合意以降、途中でバブル崩壊などで沈んだこともあったが、増加基調を続け、特に今世紀頭の7年間で5割増となり、2008~9年はさすがに世界同時不況で下降したものの、それでも貿易収支は黒字のままだった。さらに、外国から稼いだ金利配当が、外国に支払う金利配当よりも多い分を所得黒字というが、それが今やバブルの頃の5倍以上に増えている。国際収支においても、対欧米だけでなく、対中国、韓国、台湾、シンガポールに対しても、日本は大幅な黒字である。
このように国際経済競争では日本は勝っているのだが、日本経済は停滞している。それはなぜかとうと、国際競争とは無関係に進む内需縮小にある。海外から集めた膨大なお金(貿易収支と金利配当)の多くは輸出企業と、その企業株主になっている高齢富裕層に集中し、日本の国内消費に使われることなく、海外に再投資されるので、内需に貢献しない。
日本の内需不振の本当の原因は現役世代(15〜64歳)の減少と高齢者(65歳以上)の激増にある。現役世代の減少は、生産に関してはロボットやコンピューターなどで補える部分があるが、消費については必ず減少する。一方、個人所得は個人消費とは連動しない。例えば所得が多くても消費はしない高齢者が増え続けている。
では、どうすればいいのか。高齢富裕層から個人消費につながる若い世代へ所得移転をすべきだ。また、女性就労をもっと当たり前にすれば、就業人口が増え、出生率も高まり、それが内需に貢献することになる。
海外の事例で言えば、何が起きても儲けが減ることがない世界経済競争・勝者の日本から、黒字を稼いでいる国から学ぶことである。スイス、フランス、イタリアがそうだ。彼等が強いのは自国製の高級ブランド品。あるいは私が今ここで飲んでいるエビアンや、日本家庭で多く飲まれているワインもフランス製だ。
最後におさらい。日本は貿易黒字国か? そうだ。日本の国内販売額は減っているか? 減っている。日本の現役世代は減り、高齢者は増えているか? そうだ。これは政府が公表しているデータであり、事実である。
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20111221watanabe.jpg事業継続マネジメントシステム(BCMS)を構築・運用している組織は、少なくとも年に1回は演習を行っています。BCMSを導入している組織を取材する中で、演習というのは、例えば震度6強の地震が起きたと想定し、それに付随してどういう問題が出てくるかというシナリオを考え、それに対してどのように対応するかという手順を決め、それが実際にできるかどうかを平常時に確認することのようだ、と思っていました。つまりは、防災訓練のようなものだと。しかし、本日、渡辺研司さん(写真・名古屋工業大学大学院教授、ISO/TC223〈社会セキュリティ〉/WG1議長)にお会いして話を聞く中で、とんでもない誤認であることを思い知らされました。以下は、渡辺さんの話のほんの一部です。

「訓練(training)は決められたプロセスを決められた時間にきちんとできるかどうかを確認する行為ですが、演習(exercise)は、いろんなシナリオを投げてみて、何ができないかを発見するために行います。つまり、ものすごいシナリオ、こんなのできっこないレベルの一歩手前くらいのものを投げて、実際対応してみた結果、『あ、これ、できなかった』ということが分かると、それを次の事業継続体制に反映していくわけです。これ、日本企業がなかなかできないところです」

「東京にある外資系の金融機関の演習に、オブザーバーで参加したことがあります。その日の午前中は、現地法人の社長をはじめ役員が揃っていて、本当に緊急の場合を除いて外線をシャットアウトした上で、シナリオチームが、例えば、爆破予告が入ったとか、エレベーターがお客さんを乗せたまま停電で突然止まってしまったとか、そういったシナリオをいきなり投げてきて、それに現場が対応していきます。その時に、対応できないところがどんどん出てきますから、それをつぶしていくわけです。つまり、演習は、こんなことが起こったら、こういうところができなかった、という点をどんどん発見していくためにやるのです」

「米国の野村證券のデータセンター長に『演習はどうやっていますか?』って聞いたら、『突然やるんだ』って言うんです。マーケットが動いている最中に、いきなり『はい!』って言って始めるわけです。職員はぎょっとしながらも、データをバックアップセンターに飛ばし、一部の人は車で移動し始めます。『こういうことを普段できないと、本番では絶対できない』というのが彼等のロジックでした」

「PDCAのCのところで、いかに過激な演習をやって、『できなかった』という気づきを持たせるか、そこが大事なのです。シナリオチーム(攻撃のシナリオを出してくるチーム)は、そのために半年間くらい準備をします。真剣勝負なんですね、現場には、演習をやることは伝えますが、その時にどんなシナリオを出すかは一切通知しません」

このインタビュー記事は、アイソス3月号(2月10日発行)に掲載される予定です。
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タイで水没した設計図面

タイで工場が浸水して大きな被害を受けたある企業を取材しました。今月になって、何百人もの社員がタイから日本に引き揚げてきたので、その配置等で、いま大わらわだそうです。タイでの工場の被災体験の話を少しうかがいました。

「水かさがどんどん上がってきたので、機械や設備類はすぐに運び出せませんから、とにかく製品類を運び出しました。そのとき、工場の設計図面を運び出すのを忘れてしまい、水没してしまいました。図面は後からの復旧作業で、工場を建て直したり、設備を導入したりする時に必要になってきます。そこで、うちの工場を建ててくれた建設業者さんに図面を持っていないかを聞いてみました。ですが、その建設業者さんの会社も水に漬かってしまい、当社の図面もなくなってしまったそうです。有形資産は目に見えますので、すぐに気がつくのですが、無形資産になると、紛失してしまった後で、それが重要な資産であることに気づく場合があります。今回はまさにそのケースでした」
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JAB環境大会への期待

日本適合性認定協会が来年2月14日、東京・有楽町朝日ホールで恒例の「JAB 環境ISO大会」を開催する。今回は、前半はISO 14001の次期大改正についての情報提供、後半は環境ISO組織の東日本大震災への対処についての事例紹介とパネルディスカッションという内容。おそらく相当な数の参加申込みが来るのではないだろうか。

個人的には、後半の部でリーダー役をつとめる摂南大学准教授の山本芳華さんの発言に注目している。昨年2月の「JAB 環境ISO大会」で、ISO 14001登録歴10年以上の3社がEMS活動の「見える化」にどのように取り組んでいるかを紹介したプレゼンは見事だった。
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JRCA講演会(東京)

日本規格協会マネジメントシステム審査員評価登録センター(JRCA)は12月5日に東京会場(川口総合文化センター)で「JRCA講演会」を実施した。同講演会では、前半はウェルラーンズ代表の星加代子(ほし・かよこ)氏が「更なる改善へ向けて、真のコミュニケーションを」をテーマに、後半はISO 19011WG日本代表エキスパートの亀山嘉和氏が「改訂ISO 19011の概要」をテーマにそれぞれ講演を行い、最後にJRCAからのお知らせ事項の報告があった。同じ内容の講演会が、大阪会場(大阪市中央公会堂)では12月8日に開催される。

20111205hoshi.jpg星氏(写真)はまず、「コミュニケーションは、伝達の意味だけではない。相手に伝えるだけでなく、相手と共有・共感して、はじめて成立するもの」とし、伝え手の意味が受け手に伝わるようにするための表現には、言語だけでなく、非言語(表情、身振り・手振り、アイコンタクト等)も使われているとした。人と話す時は、非言語にも責任を持たなくてはならない。また、みなさんは審査をされているので、「人の話を聞く」というのが重要な仕事になると思うが、その時に必要なのは傾聴力と共感力である。

 続いて、コミュニケーションを向上させる3つの改善項目として、(1)第一印象を変える(アルバートメラビアンの法則によると、人の第一印象は外見と話し方で93%が決まってしまう)、(2)「聞く」を変える(肯定メッセージの発信やクローズエンド・オープンエンドの使い分け等)、(3)「話す」を変える(笑顔で話す、腕組み・足組みはNG、間を取り集中を促す、分かりやすい話し方を組み立てる等)を例を挙げながら解説した。

このあと亀山氏の講演が続いたが、10月18日開催のCEAR審査員向け講演会とほぼ同じ内容であり、本ブログで紹介済みなので割愛する。
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ある建設会社の労働安全衛生マネジメントシステムの取り組みを取材したときのことです。そこでは、この5年間で災害件数が10分の1まで減らすことができたのですが、リスクアセスメントの手法で最近悩んでおられるそうです。

災害件数が数百件あった頃は、データの母数が多いので分析しやすかったのですが、数十件レベルになると母数があまりに少ない。自社の災害事例だけでなく、同業他社の災害事例もデータに取り込んでおられるのですが、どうも精度に不安が残るそうです。

「災害件数がどんどん少なくなっているので、マネジメントシステムが有効に機能している」のかもしれませんが、件数が減っているとはいえ、実際に起きていることは確かなので、何とか「休業災害ゼロ」を達成し続けたい。少ない母数の中で有効なリスクアセスメントの手法とは?
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JACOが新規事業推進室を設置

日本環境認証機構(JACO)が本日、社長直轄組織として社内に「新規事業推進室」を発足させた。JACOは昨年10月、DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン(DNV)と資本提携を行い、海外展開をはかる企業向けの認証サービスの提供と、アセスメントに関する新規市場開拓を狙って活動を続けてきたが、今回社内に「新規事業推進室」という専門部署を設置することで、同活動の一層の拡充をはかる。

JACO-DNV提携により提供できるサービスは、国際統合マネジメントシステムサービス(QMS、EMS等)、各種セクター規格(TS 16949、AS 9100等)、EICC関連審査(電子業界行動規範)、CO2関連グローバル審査、各種二者監査(第三者機関による二者監査代行)、製品認証(CEマーク等)、各種レーティングサービス(ISRS等)、各種リスクアセスメント(発火危険性、機能安全等)などで、日本を基点にグローバルに対応できるとしている。
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ケアと審査の共通点

ケアサービスの世界では、購買者と利用者が一致しない。例えば老人ホームにとっての購買者は家族である。家族は老人ホームに入った親には、二度と出てきて欲しくない。一方、利用者である高齢者は、老人ホームに入りたくて入ったのではない。なので、購買者と利用者の要求はもともと異なるのだが、老人ホーム側は、お金を払ってくれる購買者の方を向いている。家族もやがて高齢者になるのだが、現時点ではそこまで考えが及ばない。高齢者は自らの要求を自ら訴えて行動していくしかない。

この構図は審査サービスの世界と似ている。審査においても、購買者と利用者は一致しない。審査を購買する受審組織と審査結果である認証を利用する利害関係者(顧客や地域住民など)がいて、審査側は、お金を払ってくれる受審組織の方を向いている。ほとんどの組織が、受審側であり、認証利用者側でもあるわけだが、認証機関とコンタクトをとっていない後者の活動はあまり表に出てこない。「ISO認証の信頼性が低下している」とかは、経産省でもJABでも認証機関でも受審側としての組織でもなく、本来は認証利用者側が言ってこそ、信憑性がある。

日本には、ISO事務局や管理責任者、つまり組織の受審側担当者による組織は、認証機関や研修機関が事務局となって提供しているものや、業界団体の活動部会、有志による自主的な会合など、多々存在するが、例えばISO 9001認証を評価する調達・購買・品質保証担当者による集まりというのは、あまり聞いたことがない。お国のためには、利用者側の組織も必要だと思うのだが。
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「審査の社会性」とは?

20110831morihiro.jpg日本品質保証機構(JQA)・審査事業センター所長の森廣義和(写真)さんが、アイソスの取材で「社会の目を持った審査」という表現を使われた。「どういう意味か?」とお聞きすると...

「部外の者としてその組織に審査に入った時、『あれ? どう考えても、これは常識的にみて、おかしい』と感じたことは、きちんと『これはおかしいですよ』と言うことです。非常に単純なことですが、こういったことを積み重ねていくことが大事だと思います。(中略)それが基本的な意味での審査の社会性ではないかと考えていますし、第三者認証制度が生き残っていく原点だと思います」(アイソス2011年12月号5頁掲載)

平明な表現でキホンのキを語っておられるところがすばらしいと思いました。
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顧客監査が育てた社内基準

「当工場にはこの十数年の間にかなりの数のお客様が監査に来られ、その都度いろんな指摘をいただき、是正してきました。例えば100社のお客様が来られたとなると、100通りの品質管理基準で監査されるわけです。この十数年間の受査と是正の蓄積を社内基準としてルール化したものが、まさに当社のPRP(前提条件プログラム)なのですが、それを世界最先端の食品安全MS規格であるFSSC 22000のPRPと比べてみると、ほとんど新たに取り組むことはありませんでした。まさにお客様の監査に我々は育てていただいたのです」(アイソス取材で聞いた食品会社担当者の発言)
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