防災のことでご近所の人たちと雑談をしていたら、だいたいみんな同じような準備をしていることが分かった。例えば、断水になって、トイレの水がなくなったときのために、水を入れた2リットルのペットボトルを便器付近に備蓄しておくこと。
「実際、試してみたの」とある人が言う。大の用を足したあとに、ペットボトルを逆さにして流してみたが、なかなか流れなかったそうだ。「意外とむずかしいわよー」
「低い位置でやってもダメなんじゃない。もっと高く掲げて、滝のようにしてかけないと」と、身振りを付けて語る人もいる。
そばで聞いていたおじいさんが「ペットボトルの水を、タンクに入れればいいんじゃないですか?」と静かに言うと、みんな顔を見合わせて、ドッと笑った。私も、「そうかあ、その手があったか」と笑ったうちの一人。
ここで自称・トイレに詳しい人が、「タンクの水量は2リットルでは足りませんよ。節水タイプでも4リットルくらい使いますからね」と言ったので、笑いがサアーッと引いてしまった。「じゃあ、タンクに2リットルだけ入れて、実際流れるか試してみないといけませんねぇ」と別の方が言って、会議は解散となった
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正月、実家の母に電話を入れると、いつも贈った歳暮をほめてくれる。
昨年は洗剤の詰め合わせを贈った。
「あんたが贈ってくれたお歳暮。ちょうど洗剤が切れてたとこやったから、ほんま、すっごい嬉しかったわー。それに、液体洗剤とかいうの、生まれて初めてやねん。使わしてもらうでー」
一昨年は「暖か下着」を贈った。
「あんた、LLやないの。お母ちゃん、太ってるの、よお分かってるやない。もうー、ほんま、あったかいわー。今もはいてんねんけどな、足がポカポカして気持ちええいうたらないでー」
さらにその前はジャスコで買ったセーターを2枚贈った。
「ちょうど、こんな色、欲しかってん。めちゃめちゃ嬉しいわー。1枚はな、よそ行きに置いてあんねん。それでな、1枚は家で着るねん。これ着ると、買いもん行っても、平気平気。ぜんぜん寒ない」
長らく大病をわずらっていて、正月前に退院したばかり。
電話で病気のことを聞くと、
「もう、今はどこも痛ない。元気元気。毎日少しずつ良うなってる」
そう言って、すぐにまた私の話に戻す。
「この不景気に、東京みたいなとこで、よー仕事やってるなー。えらい、えらい」
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企業トップを取材すると、撮られ方にトップの姿勢、会社の姿勢が表れますね。仕事柄、大企業のトップを取材することは、JABの理事長になっていただくか、品質管理学会の会長になっていただく以外、ほとんどないのですが、中小規模の社長に会うことは結構あります。
撮影しようとすると、社交辞令的にまず断る方(結局、最後は撮らせてくれるのですが)、背広の上着を脱いで作業着に着替える方(ものづくり系に多いです)、席を立って別室で髪の毛とネクタイの具合をチェックする方、眼鏡を外す方、ふてくされる方、照れくさそうにニヤニヤする方、断固断る方など、人により対応が様々です。
文屋をやって30年。今まで、男性社長で顔写真の撮影を断られた経験は一度もありません。そもそも、撮影がイヤなら、インタビューを受けたりしないでしょう。ところが、女性社長は、インタビューは受けても、撮影となると断固断る場合がものすごく多い。インタビュー記事で、インタビュイーの顔写真は不可欠のエビデンスですから、これがないと我々としては非常に困るわけです。断固撮影を断れた場合は、どうするか?
パターンは3種類あります。断固断られ、結局社長の顔写真はナシで、インタビュー記事だけが載るケース(かっこわる〜)。断固断られ、結局「社長インタビュー」という企画を没にするケース(ごく普通の企業事例紹介記事になるということです)。社長が「これを載せておいてもらえますかあ」と言って、自分のお気に入りの写真を差し出してきて、それを載せるケース。今年は女性社長を4人取材しましたが、このうち私が撮影した顔写真がアイソスに掲載されたのは、ただ1人です。
え〜っ! そおかあ〜? ビジネス雑誌や新聞や企業広報誌などに出てくる女性社長インタビュー記事には、ちゃんとその日のインタビューで撮影されたっぽい顔写真が出てくるじゃない?
そうなのです。彼等はちゃんとプロのカメラマンを連れてくるのです。カメラだけじゃなくて、照明やレフ板などの撮影機材も携えてきて、インタビューの間、しょっちゅうバチバチ撮っているわけです。中には、いくつか場所を選定して、そこで社長にポースをとらせたりする場合もあるわけです。そこまでやって撮影した大量のスチール写真の中から、選りすぐりのものを掲載するわけですから、社長のOKが出る確率も高いでしょうね。アイソスではプロのカメラマンを雇う財力はありませんので、当社による撮影お断りの場合は、極力先方から写真を提供してもらうことをお願いしています。
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息子の高校を、他校と合併させて、廃校にしようという動きがある。合併予定は、息子の卒業後になるのだが、妻が「廃校反対」の署名活動を始めた。
昨夕、近所の駅前で署名活動を数時間やったそうだ。
通勤帰りの大人は、みんな急いでいて、なかなか立ち止まってくれない。
意外だったのが、他校の高校生だ。
「あんな学校でも、なくなると困るよなあ〜」とか
「なんで、合併しちゃ、いけないの?」とか
なんやかんや言いつつも、かなり高い確率で署名してくれる。
夕食時の妻の結論。
「近頃の若いモンは、捨てたもんじゃないわ」
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冷蔵庫の中で何年も置きっぱなしになっている保冷剤の後ろに、こっそりデザートチーズアイスを隠しておいたのに、なくなっている。野菜ケースの中のレタスの下にマンゴープリンを忍ばせておいたのも、なくなっている。
かつてうちの会社に、自分が買った食品に認印を押して、事務所の冷蔵庫に保管している社員がいた。素晴らしいアイデアだと思うが、中尾家の冷蔵庫に入っているお菓子に、「中尾」の認印を押しても、あまり効果はあるまい。
「お父さん、自分で食べたこと、忘れてんじゃないの?」ってか。
まだ、その手は食わんぞ。まだな。
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本日からコメント入力欄に、スパムメール対策として、Capthcaを設置しました。コメント入力の際にはご面倒をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いします。
(中尾優作)
「おや、ダディーさん、今日はサボリですか」
「おまえこそ、なんで家にいる」
「学校の創立記念日ってやつですよ」
「こっちは会社の設立記念日だ」
「奇遇ですね」
「奇遇だね」
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次男から電話がかかってきた。
ヘルパーになって介護施設で働きたいという。
コンビニでアルバイトをしながら高齢者向けの移動販売や宅配サービスをしているうちに、いろんなご老人と親しくなった。
自分は高齢者と話が合う。
高齢者向けの仕事が自分に向いているかもしれない。
そう思ったらしい。
一方、私は凡庸なる父親である。
「そうか、頑張りなさい」と言って電話を切ったものの心の中は憤懣やるかたない。
家族みんなで晩飯を食べている時に、ついそれを口にしてしまった。
「これまで大学に支払った高額な授業料はどうなる? 数学科のくせに、数学を全然就活に生かしとらんじゃないか!」
すると三男がすかさずこう言った。
「そんなことありませんよ、ダディーさん! この4年間はきっと圭ちゃんの人生にとって役立つに違いありません!」
せっかくのツッコミなので父親として応えなければならない。
「いやはや、これは浅薄なことを申しました。自分の器の小ささに恥じ入る次第です」
そう言って三男に頭を下げた。
食卓にいるみんながどっと笑った。
特に妻と娘は柏手を打ちながら笑っている。
この柏手は「最高におもしろい」という意味なのである。
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心やさしい若者の前に立ったとき
「どうぞ」と言われたらどうする?
老人に席を譲ろうとすると
「いえいえ、あなたこそ」と言われたらどうする?
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父が若い頃
山行きの電車に乗って
捕虫網の棹を入れたケースを持っていると
よく相席の客から
「釣りですか?」
と聞かれたそうである。
釣りじゃないというと
じゃあそれは何だと聞く。
棹だというと
何の棹だと聞く。
捕虫網の棹だというと
何を捕るのかと聞く。
蝶だというと
「ほお」といって相手はあきれ顔になる。
60年くらい前
大きな捕虫網のついた棹を持って
里山をうろついている父の姿を思い浮かべると
気持ち悪くもあり
うらやましくもある。
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団子とアンコを買っていくお客があまりに多いので
今日が何の日か夕方に理解したレジ係の我が娘
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漱石作品に読み耽っていた娘が
学校が始まったら
「よくってよ、知らないわ」
を絶対流行らせると言う
「どんな場面で使う気?」
「うーん、たとえば彼との会話とかあ」
「どんな会話?」
「もう、お父さんは、よくってよ」
「よくないだろ」
「知らないわ」
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