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2010年10月アーカイブ

監査後に見る「監査マップ」

内部監査のあとに、今行われたばかりの内部監査のやり取りを視覚化した図を見ながら、監査側と被監査側が一緒に振り返る。そういう試みが、大阪で行われ、取材してきました。

201015三陽商事2.jpg内部監査に、監査側でも非監査側でもない人が1人立ち会い、監査でのやり取りを模造紙にマーカーを使って、ひたすら記録していきます。記録といっても、文章による議事録のようなものではなくて、話し合われている内容のキーワードを抽出し、それらがどのように結びついているかを連関図のように描いていきます。「マインドマップ」や「ファシリテーション・グラフィック」のような視覚的な手法です。とにかく、ここではこの図のことを「監査マップ」と言っておきます。

ただ、内部監査中は、監査側も被監査側も、その監査マップを見る余裕はありません。監査側は問いかけることに、被監査側は答えることに専念しています。なので、監査マップが生きてくるのは、監査が終わってからです。

201015三陽商事1.jpg監査後に、監査マップを見ると、監査でのやり取りの要点が短い言葉で表現され、それらがどのようなカテゴリーに属し、他のどのような要点と関連しているのかがひと目で分かります。今やったばかりの2時間の監査内容が視覚化され、何が大元になっている問題なのか、どこをもっと突っ込むべきだったのかといった課題が見えてきます。

取材当日、経営者を対象とした内部監査も実施され、その監査後に監査マップを見ながら、監査側と被監査側とが一緒になって10分程度の議論が行われました。あとで社長から感想を聞くと、「監査中は、監査員とのやり取りに集中しているので、1つ1つ、個別の問題に対応しているといった感じだったが、こうやって模造紙に描かれた図を見ると、今監査でやっていたことは、実はシステムの問題なんだと再認識できる。また、内部監査中は興奮気味だった気持ちも、監査後にこの模造紙を見ながら振り返ると、クールダウンしてくる」と述べておられました。

このとき、模造紙にひたすら監査マップを描いておられたのは、山上裕司さんです。山上さんは、内部監査後に、自分が描いた図についてコメントを述べ、監査側・被監査側から感想を求めておられました。山上さんは「今回自分がやったような、内部監査に直接参加せず、第三者的にクールに内部監査を見ながら、そのやり取りを絵にしていく人が、社内に1人いてもいいのではないか」と述べています。
(今回の取材記事はアイソス2月号に掲載する予定です)
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審査員70歳定年の敢行

「そろそろ人生を整理したいと思いまして・・・」という切り出しで、アイソス読者から電話がかかってきた。「私も70歳を超え、ISOからも身を引くことになり・・・」と続き、最後に「つきましては、アイソスの定期購読も打ち切りたいと思いまして」という内容である。それが1件だけなら、当社の販売担当の女性も別に話題にしないのだが、似たような電話が今週3件もあった。

3人とも、70歳を超え、ISOから身を引き、アイソスの定期購読を辞めたいと寂しそうに語る点が共通している。それで、彼女も心配になってきた。うちの会社の経営が、・・・ではなく、この人たちが落胆のあまり、自殺したりはしないだろうかと。実際、高齢を理由に退職を迫られた審査員が、「審査が私の生き甲斐なのに、私を殺す気ですか?」と経営者に噛みついた話を聞いたことがある。

今回の「70歳超え読者のアイソス定期購読突然辞退現象」については心当たりがあったので、彼女には「それはきっと、これが関係してると思うよ」と説明した・・・

ある審査機関は、今秋から「70歳以上の審査員対象」に退職を迫ると言っていた。力量の優劣を問わず、全員、である。また、別の審査機関のトップも「何歳から」とは言わなかったが、「ある年齢以上の方には辞めてもらうことにする」と明言していた。

たぶん、先週か今週あたりで、ある機関がこれを敢行したのだと思う。

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大阪出張に出かける前に、浜松町駅前のモスバーガーに入り、事前準備の書類を読む。

右隣のテーブルには、「あの人は全然仕事をしない」「ほんと、社長はなんにもわかってない」などと、職場の人々をののしる洗い場担当らしき中年女性2人。途中で、「私、こんな男の人から結婚を申し込まれてるんやけど、どう思う?」という発言があって、書類を読む目が止まる。一人は、これから家へ帰って夕食を作り、もう一人は、これからもう一件別の職場に行くそうだ。

左隣のテーブルには、夫婦ではなさそうな高齢の男と女のカップル。ときどき相手の体に触ったり、キスしたりしている。白髪まじりの男女がいちゃつくのを見たのは、たぶん生まれて初めて。男が「ちょっとタバコを吸ってくる」と言って席を立った数分間に、女はすばやく化粧を直していた。

手強い人たちに感動しつつも、所定の書類を読み終え、大阪へ。
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認証の踊り場のいい面

2013年には、日本の審査登録制度も20周年を迎える。ある方が、前半10年を「攻めのマネジメント」とすると、後半10年は「守りのマネジメント」がテーマだと言っていた。「守り」で大事なのは「負の遺産」を残さないことだそうだ。いい言葉だと思う。

審査制度には
『負のスパイラル』(2003年7月に経済産業省主導で発表した報告書の39ページを参照/PDFという「負の遺産」がまだ残っている。とにかく認証件数が伸びている時代は、一部の関係者以外は、こういう悪い面をあまり気にしなかった。しかし、ISO 9001の新規認証件数が減り始めた2002年頃から、だんだん関係者は「負の遺産」に気づき始めた。やはり、突っ走っている時って、人は振り返らないものなのだろう。速度が落ちてきて、初めて「あれ、なんかおかしいぞ」と気づくのだと思う。

「負のスパイラル」は、経済産業省が考えた言葉だ。螺旋状に下降していく曲線をイメージした分かりやすい表現だが、責任の所在とは無関係である。だが、「負の遺産」というと、図形的なイメージは湧かないものの、そういうものを残した責任が感じられる。なので、個人的には、「負の遺産」のほうが、ISO関係者(アイソスも含めて)が語るにはふさわしい表現だと思う。
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