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2010年7月アーカイブ

日本科学技術連盟(日科技連)主催「第2回 知識構造化シンポジウム」が、9月3日(金)13:30~17:00、東京・日科技連本部で開催される。昨年10月に開催された第1回では、ISO 9000でお馴染みの飯塚悦功氏(東京大学特任教授)の基調講演とSSM(ストレス・ストレングス・モデル:不具合発生のメカニズムを未然防止に活用するための知識構造モデル)の開発者である田村泰彦氏(構造化知識研究所代表取締役)のSSMによる知識マネジメントの講義が前半を占め、後半は企業のSSM導入事例紹介という構成だったが、今回は事例紹介が主になっていて、より実践的な内容である。シンポのタイトルも「先行各社が明かすSSM実践の考え方とその成果」。

【アイソス日記読者・先着5名様を無料ご招待

受付は終了しました。ご応募ありがとうございました。

当日の講演者とテーマは下記の通り。
◇基調講演:「SSMの推進によるものづくりの再構築」岡田慎也氏(ダイキン工業・執行役員)
◇特別解説:「SSM/構造化知識マネジメントの概要と最新動向」松坂ユタカ氏(構造化知識研究所・執行役員)
◇事例講演:「SSMを活用した設計ノウハウの再構築と実務適用」黒川隆之氏(日産自動車・パワートレイン開発本部)
◇事例講演:「知識の構造化によるナレッジ活用型設計環境の構築について」五十嵐和之氏(三菱電機エンジニアリング・技術推進部)
詳細は下記の日科技連のHPで。
http://www.juse.or.jp/tqm/50/

なお、上記講演者の中で、岡田氏と黒川氏はアイソス2009年2月号で事例紹介記事として、松坂氏は同2009年3月号でSSM解説記事の執筆者として、それぞれ紹介している。
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北原脳神経外科病院のQMS

先日、東京都八王子市にある北原脳神経外科病院のQMSを取材してきました。病院ではまだ珍しいセクションである「品質管理部」に3名の品質管理担当者がいて、毎日院内のどこかの施設を巡回し、環境整備、物品管理、書類管理などがきちんとできているかをチェックしています。巡回報告はその日のうちに被監査部署の所属長にメールでフィードバック。指摘事項については、すぐに処置できるところは即対応していただき、遅くとも次の巡回がある2週間後までは対応してもらうそうです。ただ、中には改善に時間がかかる問題もあって、そんな時は、抜本的な方法改善やシステムの見直しなどに取り組みます。新人研修のプログラムの中にも、この施設巡回が組み込まれています。

内部監査員研修では、規格解説のような従来の堅苦しい内容から、より実践的なものに変えたそうです。その1つが内部監査員向けの講習会。是正処置報告書の書き方を指導する際、もう一息の事例と良い事例の両方を示し、書き方のポイントをつかんでもらった上で、事例問題の宿題を出し、2週間後に提出してもらって、その添削を行うという方法を取り入れました。また、イントラネット上に、患者様の声を掲載して、院内にどんな問題点や課題があるかを明らかにし、それを監査の質問項目作成の資料にしてもらっています。

100720kitahara.jpg北原脳神経外科病院は、1995年に設立されたときは41床の規模でしたが、今は110床になり、外来受診数や職員数も増え、大きく発展しています。ところが、規模が大きくなると、従来のようにトップの意思決定が末端まで伝わりにくくなります。そこで経営ツールとして導入したのがISO 9001でした(2004年6月認証取得)。取材内容の詳細はアイソス9月号(8月10日発行)をご覧ください。

(写真は北原脳神経外科病院の経営企画室室長・福池千尋さん〈左〉と同院品質管理責任者の中山美穂子さん)
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20100714kouzuma.jpgカーボンフットプリント(CFP)ラベルを貼付した製品の市場流通が始まった2009年10月頃、産業環境管理協会やCFP普及連絡会などが主催する説明会では、経済産業省提供のプロモーションビデオが紹介され、CFP発祥の地である英国・ロンドンの街角で一般消費者がインタビューを受け、「環境意識の高い消費者はCFPラベルが付いた商品を買うと思うよ」と答えるシーンが出てきたのを覚えている。欧州では盛り上がっており、日本もぜひやるべきだと、そのビデオは訴えていた。

本当に欧州では盛り上がっているのか? 上妻義直さん写真:上智大学経済学部教授)は、まったく逆だと言う。

「英国で最初にCFPラベルを付けた3社のうち、今も付けているのは、ウォーカーズというペプシコの子会社だけだ。なぜかというと、製品のCO換算の計算に膨大なコストがかかるし、消費者からは「数字の意味が分からない」などのクレームが多かったからだ。経産省は2008年の夏くらいからCFP試行制度への取り組みを始めているが、その概算要求は2007年末から2008年始めくらいの間にやっているはず。ところが2008年2月には、EU内の産業界も消費者団体も、CFPラベルを表示することに強く反対していることがEUの報告書の中に出ている」(上妻)

上妻さんの言う通りだと、日本で始まった時、欧州では終わっていたことになる。国だから、経産省だから、正しい最新情報を提供してくれるとは限らない。役所が、自分の仕事の確保のためにやっていることもあるのだから。注意しなくては。
自戒の念を込めて。

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奥村朋子さん(通称:TOMOさん)がTS 16949審査員資格試験に合格した。7月16日に契約先の審査機関からメールで通知をもらったそうだ。国内初の女性TS 16949審査員の誕生を心より祝いたい。

TOMOさんは2008年夏、TS試験に初トライしたあと、同年9月10日に開催された「いそいそフォーラム東京支部10周年記念大会」で自分のTS体験についてプレゼンを行った。その時、次のように語っている。

私はどうしてTS審査員の試験を受ける気になったのか?  例えば、ISO 9000の審査でプロセスを本当にきちんとみようとすると、忌避(受審組織が当該審査員が審査をすることを拒否すること)につながってしまうというような現状がある。特に、中小企業やサービス業の審査では、そういったことが起きやすい。「TSの審査にはそれがないぞ」とある人からそそのかされたので、TSの審査員を目指すことにしたのだ。

TOMOさんは、自分として納得のいく、本当にきちんとした審査をするための道として、TS審査員を選んだのだと思う。

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ISO 50001 オタク度テスト

現在DIS(国際規格案)段階にあるISO 50001(エネルギーマネジメントシステム)は、ISO 14001のエネルギー側面を特化させた規格であると言われていますが、要求事項の基本的な記述の仕方でいくつかの相違点があります。いったいどんな点が違うのでしょうか。あなたのISO 50001オタク度をテストしてみましょう。

【問い1

ISO 50001では「手順の確立」を要求している条項が2カ所あります。どこと、どこでしょうか?

問い2
ISO 50001では「緊急事態への準備及び対応」が要求されているでしょうか?

問い3
環境方針・目的・目標から逸脱しないように、ISO 14001では「運用管理」において「文書化された手順」が要求されていました。では、ISO 50001の「運用管理」でも、やはり「文書化された手順」が要求されているのでしょうか?

* 回答はいずれも、前日までのブログ記事「ISO 50001とISO 14001との相違点」の(1)から(4)の中に出ています。
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「ISO 50001とISO 14001との主要相違点」の第4回目で最終回。「4.6 パフォーマンスの点検」と「4.7 最高経営層によるマネジメントレビュー」を取り上げる。イタ リック は規格本文からの抜粋である。この2つの節の目次構成は次の通り。

4.6 パフォーマンスの点検
4.6.1 監視、測定及び解析
4.6.2 順守評価
4.6.3 エネルギーマネジメントシステムの内部監査
4.6.4 不適合、修正、是正及び予防処置
4.6.5 記録の管理
4.7 マネジメントレビュー
4.7.1 マネジメントレビューへのインプット
4.7.2 マネジメントレビューからのアウトプット

「4.6.1」には「解析」が、「4.6.4」には「修正」という、ISO 14001のタイトルには付いていない用語が追加されている。ただ、ISO 14001と比べると、「解析」は新規用語だが、「修正」はISO 14001の「4.5.3」のa)項で correcting nonconformity という使い方をされているので、「是正処置」(corrective action)との違いをはっきり区別するためにタイトルにも入れたと思われる。

4.7.2 マネジメントレビューへのインプット

マネジメントレビューへのインプットには下記を含まなければならない。

a) 前回レビューのフォローアップ処置
b) エネルギー方針のレビュー
c) エネルギーパフォーマンス及び関連エネルギーパフォーマンス指標のレビュー
d) 法順守評価及び法的その他の要求事項の変更
e) 目的、目標達成の程度
f) 内部監査の結果
g) 是正、予防処置の状況
h) 今後のエネルギーパフォーマンスプロジェクト
i) 改善のための提案

この項目の中で、「b) エネルギー方針のレビュー」と「h) 今後のエネルギーパフォーマンスプロジェクト」は、ISO 50001特有の項目で、ISO 14001にはない。特に、h)項の「エネルギーパフォーマンスプロジェクト」なるものがどういう内容なのか、ISO/PC242委員の間でも明確ではないようだ。

一方、ISO 14001の「4.6 マネジメントレビュー」にはあって、ISO 50001にはない項目が「b) 苦情を含む外部の利害関係者からのコミュニケーション」である。


以上、ISO 50001とISO 14001との相違点について、ISO/PC242エキスパートの寺田博委員が強調したポイントのまとめを終了する。もちろん両規格の間には、今回紹介した以外での細かい相違点がたくさんあることはご了承いただきたい。

現在、ISO 50001はまだDIS(国際規格案)の段階なので、内容は今後変更される可能性がある。現在、ISO/PC242参加国からコメントを募集しており、その締切が8月26日となっている。そこから、集まったコメントの検討が始まり、早ければ2011年1月にはFDIS(最終国際規格案)が承認され、20011年前半には正式なIS(国際規格)が発行されることになる。 

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「ISO 50001とISO 14001との主要相違点」の第3回目で「4.5 実施及び運用」の続き。イタ リック は規格本文からの抜粋である。

4.5.4 運用管理

組織は次に示すことによって確実に、資源が配分され、特定の条件下で実施されるように、著しいエネルギー使用に関連し、かつエネルギー方針、目的、目標及びアクションプランに沿った運用を特定し、計画しなければならない。

a) その基準がないと効果的なエネルギーパフォーマンスから著しく逸脱するかもしれないような、著しいエネルギー使用に関する有効な運用・維持の基準を確立し、設定する
b) ・・・(以下略)


「運用管理」の内容はISO 14001とあまり変わらないが、1カ所大きく違うところがある。ISO 14001で唯一「文書化された手順」が要求されているのが「運用管理」のa)項であるが、上記を見ても分かるように、ISO 50001では「基準」(criteria)の確立・設定が要求されているだけで、「文書化された手順」という表現では要求されていない。

4.5.6 計画設計(Design)

組織はエネルギーパフォーマンスに著しい影響を持つ施設、設備、システム、プロセスの新設、変更、改装に関する計画設計を行うに当たってはエネルギーパフォーマンス改善の機会を考慮しなければならない。
(以下略)


ここでいう「設計」とは、ISO 9001でいうところの「設計」とはニュアンスが異なり、エネルギーパフォーマンスに著しい影響をもつ 諸要素の計画設計のこと。ISO 14001にはない要求事項である。また、ISO 50001は、組織が作り出す製品のエネルギーパフォーマンスについては言及していない。

4.5.7 エネルギーサービス、製品、設備、エネルギーの調達
4.5.7.1 エネルギーサービス、製品、設備の調達

著しいエネルギー使用に影響するか、その可能性のあるエネルギーサービス、製品、設備を調達するに当たって、組織はその調達に関してエネルギーパフォーマンスを基準とした何がしかの評価を行うことをその供給者に通知しなければならない。

組織は組織のエネルギーパフォーマンスに著しく影響を与えると考えられるエネルギーを使用する製品、設備、サービスについて、計画されたまたは予想される全使用期間中のエネルギー使用を評価する基準を決定しなければならない。

(注記) 組織は著しいエネルギー使用を伴う設備に関する事故、緊急事態及び予想される災害を考慮し、そのような事態への対応方法を決定しておくとよい。

調達に関しては、ISO 14001ではタイトルの付いた条文こそないが、上記第一パラグラフの内容は「4.4.6 運用管理」のc)項に関連した内容が記述されている。

(注記)は、ISO 14001の「4.4.7 緊急事態への準備及び対応」に相当する記述。ISO 50001ではあくまで(注記)であり、要求事項ではない。

4.5.7.2 エネルギー供給の調達

組織は効果的なエネルギーパフォーマンス実現のため、適用可能な調達仕様書を決定しなければならない。

この条文もISO 14001には相当するものがない。ここに出てくる「調達仕様書」(purchasing specification)とは何か。ISO 50001の附属書Aに、調達仕様書に含まれるアイテム例が例示されており、参考になるであろう。その内容は下記の通り。

A 5.5.3 エネルギー供給の調達

エネルギー供給の調達仕様書の策定に際しては下記事項が考えられる。
a) エネルギーの品質
b) 入手の可能性
c) 調達数量
d) 調達期間中の変動要因
e) 価格及び価格の変動要因
f) 環境影響
g) 再生可能性
f) 組織に関連するその他の要因


(明日に続く)


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「ISO 50001とISO 14001との主要相違点」の第2回目。イタリック は規格本文からの抜粋である。

 ISO 50001の「4.4 エネルギー計画」の概念図を昨日示したが、その図に「計画のアウトプット」として、「ベースライン」「EnPI(エネルギーパフォーマンス指標)」「目的・目標、アクションプラン」という3項目が書かれている。これがエネルギーレビューの結果として出てくる「4.4.4 エネルギーベースライン」「4.4.5 エネルギーパフォーマンス指標」「4.4.6 目的・目標及びアクションプラン」に相当する。

「4.4.4」は、エネルギーマネジメント特有の要求事項であり、ISO/DIS 50001の附属書Cでも、ISO 14001と関連する条項がブランクになっている。一方、「4.4.6」にはISO 14001との比較の上で注意すべき点がある。


4.4.6 目的・目標及びアクションプラン

タイトルのアクションプラン(Action Plan)は、ISO 14001の実施計画(Programme)と意味は同じと考えてよい。

組織は、関連する部門、階層、プロセス又は施設において文書化されたエネルギー目的及び目標を設定し、実施し、維持しなければならない。エネルギー目的及び目標は明確で測定可能でなければならない。目的・目標達成のために時間的枠組みも設定しなければならない。(中略)

エネルギーマネジメントアクションプランには以下のことが含まれていなければならない。

a) 責任の明示
b) 個々の目標達成のための手段及び期限
c) エネルギーパフォーマンスの改善を検証する方法の記述
d) アクションプランの結果を検証する方法の記述

エネルギーマネジメントアクションプランは文書化され、定められた間隔で更新しなければならない。


ISO 14001の場合、文書化された目的及び目標の設定の対象は、組織の関連する部門及び階層だったが、ISO 50001では、さらにプロセスや施設も対象になる。さらにISO 14001にはない、目的・目標達成のための時間的枠組みの設定も要求されている。

また、ISO 14001の実施計画は、ISO 50001のa)とb)に相当する項目だけだが、ISO 50001では、さらにc)とd)の2項目が要求されている。

4.5 実施及び運用

4.5.1 一般
4.5.2 力量、訓練及び自覚 (支援)
4.5.3 文書化及び文書管理 (支援)
4.5.4 運用管理 (運用)
4.5.5 コミュニケーション (支援)
4.5.6 計画設計 (運用)
4.5.7 エネルギーサービス、製品、設備及びエネルギーの調達 (運用)
*(支援)(運用)は寺田さんによる区分け、原文にはない。

「4.5」は7つの条項で構成されているが、その内容は大きく「支援要素」と「運用要素」に分かれている。ISOでは、将来の在るべきマネジメントシステム規格の構造をJTCGで審議しているが、そのグループでは将来的にはこの2つの要素をきちんと区分した規格構造にすることで合意されている。現時点でのISO/DIS 50001ではまだこの2つの要素がバラバラに並べられているが、今後はこの順番が改訂される可能性がある。

4.5.2 力量、訓練及び自覚

(前略)
組織は、組織で働く又は組織のために働く人に次のことについて常に自覚を持ち続けることを確実にしなければならない。

a) ・・・(以下略)


ISO 14001の「4.4.2 力量、教育訓練及び自覚」では、ここの表現は「組織は、組織で働く又は組織のために働く人に次のことを自覚させるための手順を確立し、実施し、維持すること」となっており、手順が要求されているが、ISO 50001では「常に自覚を持ち続けることを確実に」することとなっている。ISO 50001のほうが難しい要求になっているのではないか。

4.5.3.2 文書の管理

規格及び組織のエネルギーマネジメントシステムが要求する文書は管理しなければならない(技術文書を含むことがある)。
次のことを含む手順を確立し、実施し、維持しなければならない。

a) 発行前に、適正性の観点から承認を行う
b) 定期的にレビューを行い、必要に応じて更新する
c) 文書の変更の識別及び現在の改訂版の識別を確実にする
d) 該当文書の適切な版が必要な場所にあることを確実にする
e) 文書が読みやすく、容易に識別可能な状態であることを確実にする
f) エネルギーマネジメントシステムの計画及び運用のために必要であると組織が決定した外部文書を明確にし、その配布が管理されていることを確実にする
g) 廃止文書が誤って使用されないようにし、何らかの目的でこれらを保持する場合には適切な識別を行う


a)からg)までの7項目の手順を確立し、実施し、維持することが要求されている。このように「手順の確立」が要求されている条項は、ISO 50001では、この「4.5.3.2 文書の管理」と、「4.6.4 不適合、修正、是正及び予防処置」の2カ所だけである。

ISO 50001の「4.5.3.2 文書管理」と、ISO 14001の「4.4.5 文書管理」はほぼ同じ内容である。
(明日に続く)
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ISO 50001とISO 14001との主要相違点についてまとめてみた。編集内容は、ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム)の規格審議団体であるISO/PC242の委員をつとめる寺田博さんが、月刊誌アイソス6月号の特集記事「ISO 50001 エネルギーマネジメントシステム国際規格案(DIS)発行」に書かれたことと、6月15日のアイソス主催セミナーでの規格講習会での講演内容とをベースにしている。

以下、「ISO 50001」と表記されているものは、すべてDIS(国際規格案)段階での規格内容であり、今後変更される可能性がある。イタリック は規格本文からの抜粋であり、寺田訳を使用。


ISO/DIS 50001とISO 14001との相違点

A. 適用範囲


・規定される要求事項
【ISO 50001】
エネルギーパフォーマンス、エネルギー効率及びエネルギーの保全管理を継続的に改善するエネルギーマネジメントシステムを確立し、実施し、維持し及び改善するための要求事項。
【ISO 14001】
法的要求事項、著しい環境側面を考慮に入れた方針・目的を策定・実施できるような環境マネジメントシステムの要求事項。

・適用の対象
【ISO 50001】
この規格は組織に監視され、影響されるエネルギー使用に関するすべての因子に適用。
【ISO 14001】
この規格は組織が管理できる、また組織が影響を及ぼすことができるものとして特定する環境側面に適用。

B. 用語と定義

ISO 50001ではパフォーマンスが強調されている点がiSO 14001と大きく異なる。「エネルギーパフォーマンス(energy performance)」という言葉が規格本文中に27カ所も出てくる。

C. エネルギーマネジメントシステム要求事項

4.2.1 一般(経営層の責任)

ISO 50001には「マネジメントチーム」という概念が出てくる。一方、ISO 14001には「マネジメントチーム」という概念はない。

最高経営層はエネルギーマネジメントシステム並びにその有効性の継続的改善に対するコミットメント及び支援を以下の事によって示す。(中略)
b) 管理責任者を任命、マネジメントチームの設立を承認

*「マネジメントチーム」という用語は、ISO 50001の「4.4.1 役割、責任及び権限」の中のc)項に「責任者のマネジメント活動を支援する要員を特定」という文章が出てくるが、この「要員」によるチームがマネジメントチームのことである。

4.3 エネルギー方針

ISO 50001でエネルギー方針として挙げているa)〜h)項目の中のC)項とf)項が、ISO 14001にはない。

C)目的・目標達成に要する資源、情報の入手を確実にするコミットメントを含む
f) エネルギー効率の良い製品、サービスの購買を支援する
また、ISO 14001には「g) 一般の人々が入手可能である」があるが、ISO 50001にはない。

4.4 エネルギー計画

エネルギー計画については、ISO 14001と異なる部分が多いが、ISO 50001の附属書A1に下記のような図が掲載されている。エネルギー計画の概念を非常に分かりやすく図式化しているのでぜひ参考にしていただきたい。

20100713energyplan.jpg

上図の小さい箱が3つ横に並んでいる部分(使用・データの分析→著しいエネルギー使用→改善の機会特定)が、「4.4.3 エネルギーレビュー」に相当する。ISO 50001においては、このエネルギーレビューを組織がいかにこなすかが最も大事な点である。以下は4.4.3の全訳。

4.4.3 エネルギーレビュー

組織はエネルギーレビューを作成し、記録し、維持しなければならない。エネルギーレビュー作成の方法及び基準は文書化しなければならない。エネルギーレビュー作成に当たって組織は下記を満たさなければならない。

a) 実測値他のデータに基づくエネルギー使用の分析
・エネルギー源の現状特定
・過去・現在のエネルギー使用及び使用量
・将来のエネルギー使用及び使用量の予測
b) エネルギー使用の分析に基づく著しいエネルギー使用及び使用量のある領域の特定
・施設、設備、プロセス、システム、エネルギー使用及び使用量に著しく影響を与える組織で働く、または組織のために働く要員の特定
・著しいエネルギー使用及び使用量に影響を与えるその他の関連変数の特定
・特定された著しいエネルギー使用に関連する施設、設備、システム及びプロセスの現状のパフォーマンスの決定
C) 再生エネルギー、代替エネルギー源の利用などを含めてパフォーマンス改善の機会を特定し、優先度を決定して記録する

エネルギーレビューは定められた期間及び施設、設備、システム及びプロセスの主な変更に応じて更新しなければならない。
* b)項に出てくる「関連変数」(relevant variables)とは、「関連するすべての因子」と考えればよい。ただ、どこまでの範囲を入れるかについては今後の議論になるところ。
ISO 14001では「4.3.1 環境側面」に相当する部分。「4.4.3 エネルギーレビュー」のa)項では、過去・現在・将来の使用及び使用量の分析が求められている。しかし、ISO 14001では、現状及び将来(「計画されたもしくは新規」)の環境側面は特定しなければならないが、過去までは求めていない。
また、c)項、つまり「パフォーマンス改善の機会の特定」は、ISO 14001では要求されていない。

(明日に続く)

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林深則鳥棲 水廣則魚游

書をたしなむ娘に一筆書いてもらった。

林深則鳥棲
水廣則魚游


深い林には鳥が棲み、水が豊かであれば魚が泳ぐという内容。邱永漢と糸井重里との対談本である「お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ」の中に出てくる漢文で、以前から気に入っていて、いつかは大きな文字にして壁に貼っておきたいと思っていた。

休日の夕方、娘が毛筆で何かを書いていたので、ついでにこの漢文を書いてもらった。この書のように、鳥が棲み、魚が泳ぐような、深くて広い場がつくれるといいのだが。


20100710林と水.jpg
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東京ビッグサイトで開催されたデジタルパブリッシング専門セミナーで、7月9日の「仮想空間 アメーバピグ」を受講した。講師は株式会社サイバーエージェントのアメーバー事業本部ゼネラルマネージャー・長瀬慶重さん。講演タイトルは長くて「1年間でユーザー数が200万人を突破した仮想空間『アメーバーピグ』そのビジネスの仕組み、サービスの仕掛けとは?」。以下、おもしろかった点を中心にまとめてみた。


【長瀬慶重さんの講演】

Ameba(アメーバ)は、ブログサービスでは国内最大規模で、今月(2010年7月)には会員数は1,000万人になる見込み。特徴は7,000名を超える有名人がブロガーとして当社サービスを使っていること。月間の利用者数は3,000万人(PC、モバイル)を超える。現時点では売上の6割が広告、課金が4割という構造だが、最近は課金収益の割合が増加しており、その中核を担っているのが「アメーバピグ」である。

アメーバピグとは、自分そっくりのピグ(インターネット上の分身)を作り、オンライン上で遊べる、国内最大規模の仮想空間サービス。現在会員数は400万人で、20〜30代女性がメインユーザー層。ピグのかわいさ、直感的な操作性、50種類以上の現実そっくりの仮想空間、3,000名の著名人がピグ利用などが大きな特徴。井戸端会議やコンサートライブ、W杯の観戦、国会議員との討論などへのリアルタイムなサービスの仕掛けが売りになっている。

アメーバピグのビジネスモデルの特徴は、有料で商品を買ってもらったり、ゲームを楽しんでもらう時の課金システムになる。例えば、仮想空間の中で、自分の分身にかっこいい服を買って着せる、金魚などのペットを買う、部屋のインテリア商品を買うなどである。本物の服ではなくて、仮想空間の服なのだが、お金を払って買ってくれる(アバター課金)。かっこよければ、「かっこいい服だね」とかいったコメントを、仮想空間の友達が言ってくれるからだ。例えば釣りゲームの場合でも、通常は無料なのだが、もっといい棹を買えば、もっと大きな魚が釣れる仕組みなので、もっといい棹を買ってくれる人がいる(アイテム課金)。

あるいは企業と提携した企画もある。例えばサンリオ社は、仮想空間にお店を出して、そこではハローキティのグッズが売っている。そのグッズを買って、自分の部屋をキレィグッズ一色にする人もいる。AAA(トリプル・エー)ピグライブでは、仮想空間のコンサート会場に5,000人の参加者が集まった。通常のライブだと、1万円とかいったお金がかかるが、アメーバピグだと数百円程度。しかも、実際のライブと同様に、AAA本人たちがリアルタイムで参加している。

今後はさらに会員規模の拡大をはかり、数千万人の国民的コミュニティを目指す。ゲーム課金を強化し、わくわくする提携案件を実施していきたい。
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7月8日東京ビッグサイトで開催されたデジタルパブリッシング専門セミナーで、グーグルの井上憲郎・名誉会長と佐藤陽一・Googleブックス担当マネージャーが講師を務めた「Googleブックスの進化と出版」を聴講。講演内容の中で関心のあった点を以下にまとめてみた。


【井上憲郎名誉会長の講演】

100708kaityou.jpgグーグルの2009年12月末決算の収益高は全世界で2兆4千億円で、そのうち97%が広告収入であり、残り3%はGメールの有料サービスの収益である。

グーグルはコンテンツを所有しない。コンテンツにたどり着くまでの道筋を付けるだけで、たどり着いたコンテンツが有料であるか無料であるかはグーグルのあずかり知らぬことである。例えば電子書籍においても、グーグルはテキストを預かるだけで、中身を所有しているわけではない。

グーグルはクラウド・コンピューティングによって、いつでも、どこからでも、誰でも、どんなデバイスからでも、全書籍が読めるよう、全世界18億人のインターネットユーザーに電子書籍を広めたいと考えている。


【佐藤陽一担当マネージャーの講演】

100708satou.jpgグーグルでは、あらゆる書籍のページをデジタル画像化し、OCRによって文字情報を取り込むことを進めており、全世界で現在200万タイトルを収録、ビジネスパートナーは3万社を超えている。北米においては、パートナーになっていない中・大手出版社を見つけるのがむずかしいほどの普及ぶりだ。日本における現在のパートナー数を明かすことはまだできないが、数万タイトル、数百社レベルであり、まだまだ規模は小さい。

Googleブックスを全文検索することはできるが、1人のユーザーが閲覧できるのは当該書籍全体の20%以内にコントロールされているし、印刷、保存はできない。「20%でも多すぎるのではないか。それだけ見たら、もう書籍を買わないのではないか」という疑問がよく寄せられるが、我々が調べたところでは、Googleブックスでその本を読んだ人が、その本を買う確率は非常に高い。

このGoogleブックスの20%制限枠を外して、全文を有料で読むことができるサービスが「Googleエディション」である。この
Googleエディションによる電子書籍購入は、グーグルのサイトだけでなく、オンライン書店や出版社のサイトからでも購入できる。購入した読者は、ブラウザーが見れる環境があれば、PCであれ、携帯電話であれ、どこからでも購入した電子書籍を読むことができる。

Googleエディションでは、グーグルは出版社から販売の権利を購入してから、電子書籍として販売するわけだが、出版社の取り分は最低51%以上に設定しており、そこからは規模や内容などによって双方で相談することになる。ただ、グーグルはGoogleエディションにおける当社取り分を収益の大きな柱にしようとは考えていない。例えば、当社の取り分についても、必要経費として使用する部分が多い。
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アイソス日記でアップしてきた飯塚悦功さんのビデオ「飯塚悦功プロジェクト」の総目次を作成しました。

飯塚さんというと「ISO 9000の飯塚」のイメージが強いのですが、大学での学究活動は「システム解析工学」がご専門です。本ビデオはその「システム解析工学」を中心に語っていただいたプライベート講義で、2008年10月8日にアイソス編集部が収録し、編集しました。

簡易目次と詳細目次(続きを読むをクリック)の両方を作成しています。
タイトル横の ブログ をクリックすると掲載当日のブログ記事に、YouTube をクリックするとYouTubeにアップされたビデオ画面に飛びます。


飯塚悦功プロジェクト  【簡易目次】

0   概要説明  ブログ
1   統計的手法より予測が必要だ  ブログ  YouTube
2   支援技術もバカにできないぞ  ブログ  YouTube
3   「お客様志向」は「目的志向」  ブログ  YouTube
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チューケーッ!

ノックで外野にボールを飛ばし、外野手が内野手にボールを投げ、受け取った内野手がそのボールを捕手に投げる。いわゆるバックホームの中継練習ですが、たまに内野手がぼーっとしている場合があるので、その時は監督やコーチが「サード、中継だ!」とか怒鳴って、子どもに教えてあげます。

ある時、コーチが「チューケーッ!」って怒鳴ったら、守備をしていた子どもたちが全員ベンチに引き上げてきたことがありました。「なんだ、なんだ?」と大人たちが怪訝に思い、子どもたちに「なんで引き上げるんだ」と尋ねると、「休憩でしょ?」だって。

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かつてアイソスに連載したことがある4コマ漫画で、自分自身気に入っているものを、「スライドのYouTube版」ともいうべき slideshare を使って、簡単に見れるようにしました。

この漫画に出てくる話は、当時(2002年)審査機関の社長さんから取材で聞いた内容がベースになっています。

審査機関では、審査業務と営業業務は峻別され、担当者も異なります。最初に営業マンが訪問して売り込み活動や見積書作成、認証の説明や審査に至るまでの段取りの打ち合わせなどを行います。正式に契約が決まったら、今度は審査ですから、審査員が訪問することになります。

その審査機関の社長が言うには、同じ機関の職員でありながら、営業が伺ったときと、審査員が伺ったときとでは、相手の対応ぶりはかなり違うのだそうです。


*フル画面でご覧になりたいときは、下記の「Four frame cartoon by isos(1)」をクリックし、出てきた画面右下の「full」をクリックしてください。

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6月25日付でISOから顧客満足の監視及び測定のガイドライン規格であるISO/TS 10004:2010が発行された(TSは技術仕様書の意味。数年後の審議ステップで正式な国際規格になるか、廃版になるか決定される)。これは、品質マネジメントの顧客満足シリーズであるISO 10000シリーズの一環として開発されたもので、すでにISO 10001:2007(行動規範)、ISO 10002:2004(苦情処理)、ISO 10003:2007(紛争解決)が発行済み。

ISO/TS 10004で取り扱われている内容は次の5つ。
・顧客満足の概念と原則のガイド
・顧客満足の監視及び測定のフレームワーク
・顧客満足の監視及び測定の計画
・顧客満足の監視及び測定のプロセス
・顧客満足の監視及び測定の維持及び改善

ISO Storeで購入可能。値段は118CHF(今日のレートだと9,794円)。

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清涼な手

100630butterflies.jpgいま、アゲハチョウのつがいが
2階の私の部屋から見えています。

今日のような蒸し暑い日も
学生の頃の私と妻は
いつも手を握って歩いていました。

若い盛りなので
せっかく会っているのなら
何か触っていないと大損だと
そういう下心はもちろんあるのですが
妻の手がいつもヒンヤリとして
心地よかったというのも
手を離さない大きな理由でした。

とはいえずっと握っていると
私の熱が妻に伝わり
だんだん暖まってきます。

そこで手のひらの次は前腕
その次は上腕
そして手のひらにもどる
といったように
握り場所をときどき変えながら
蒸し暑い夏のあいだ
そのヒンヤリ感を楽しんでいました。

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